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特集

マイアミ・ソウルのお膝元で自然に育まれたブルーアイド・ソウル THE CAT CAME FROM MIAMI

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2005年09月15日 14:00

更新: 2005年09月15日 18:44

ソース: 『bounce』 268号(2005/8/25)

文/JAM

 レーベルはそのイメージが固まれば固まるほど、そこから姿を現わすアーティストのイメージをもコントロールしはじめる。ボビー・コールドウェルが78年にクラウズというマイアミのレーベルからデビューした時、われわれはレーベルそのものが持つイメージに見事に操られ、彼が白人のシンガー・ソングライターだとはまったくもって気付かなかった。むろん、彼の姿がシルエットでしかジャケットに描かれていなかったことも多分に作用したが、このクラウズが、マイアミを本拠とするインディーながらも当時全米規模のヒットを量産していたソウル/ファンク/ディスコの王国=TKの傍系レーベルだったという点が何よりイメージを優先させたのだ。

そんなイメージを抱きながら聴くボビーのアルバムはそれまでのTKにとってみれば異色でありつつも、ソングライティングに煌めく才能を覗かせるスティーヴィー・ワンダー・フォロワーという響きに満ち、ソウル・シンガーを聴いているという感覚に疑念が入り込む余地はなかった。ブラック・マーケットを発火点に、ポップ市場に引火させるマーケティングを白人中心のファンク編隊=KC・アンド・ザ・サンシャイン・バンドで成功させているTKなだけに、こういう手法にはスタッフ間にフローチャートめいたものがあったのでは?と思わせるくらい見事な市場導入だった。ただ、それが綺麗に実を結んだのも、ボビーのルーツが実際にスティーヴィー・ワンダーをはじめとするソウル・シンガーたちにあったからに他ならない。こうした確固たるルーツが、ありきたりなブルーアイド・ソウルとは一線を隠すマーケティングを可能たらしめたのだろう。

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マイアミ・ソウルのコンピ『Miami Soul』(Soul Jazz)

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