シカゴ・アーバンを語るうえで欠かせない、珠玉の21タイトル!!(2)
AVANT 『Private Room』 Geffen(2003)
ピンストライプのスーツが決まり過ぎな伊達男、アヴァント。盟友スティーヴ・ハフと密に作り上げたこの3作目も、そんな姿をサウンドで表したようなミディアム&スロウの楽曲がぎっしり。終始ジェントルな色気を漂わせたヴォーカルに酔いしれる。(佐藤)
DA BRAT 『Unrestricted』 So So Def/Columbia(2000)
まだ地元に大きなシーンがなかった頃にデビューしたブラットも、この3作目からはシカゴ・マナーを徐々に発露。イントロにトゥイスタを迎え、カニエ制作による“Chi-Town”でシメるあたりが意識的か。次作では同郷のLT・ハットンと合体している。(出嶌)
ACE 『Simply』 Ace(2003)
R・ケリーと組んでデビューしたパブリック・アナウンスメントのメンバーによるソロ。90年代R&Bの質感を多分に含んだアーバンな逸品で、歌声も男前。ウィリアム・デヴォーンのステッピン・アンセムを丸使いした“Baby Girl”は必聴!(池田)
BOO & GOTTI 『Perfect Timing』 Cash Money/Universal(2003)
R・ケリー主宰のロックランドからデビューするも、今作はニューオーリンズのキャッシュ・マネーにフックアップされてようやくアルバムに漕ぎ着けたラップ・デュオ。Rやカニエも参加したシカゴ味50%の感触にラフなコンビネーションが冴えた一枚。(出嶌)
MICHELLE WILLIAMS 『Do You Know』 Sanctuary Urban(2004)
デスチャのミシェルもまたシカゴ出身。自身のバックグラウンドを反映させたスピリチュアルなソロ第2弾では、同地のゴスペル界で活躍中の兄エロンが制作/コーラスで妹を頼もしくサポート。可憐ながらも芯のある歌声が伸び伸びと響き渡る。(佐藤)
ANDLEUS 『Street Troubadour』 Dome(2002)
インディー・ソウルの良品も次々送り出すシカゴ、このアンドレウスは極寒のゲットーを想像させるブルージーなノドで、振り絞るような歌唱を響かせるシンガー。ほぼ自作自演によるプロダクションもややチープながら味わいたっぷりな、聴き逃し厳禁盤だ。(出嶌)
CAP. 1 『Theory Of Life』 40 Thievz(2003)
2000年にモータウンからデビューしていたキャップ・1。自主リリースとなる本2作目は、メジャー時代のゲスト攻めなどはないものの、アイス・ドレイクら地元の新進を起用した奮闘作。ルーサー使い曲などで見せるソウルフルな語り口もシカゴらしい。(出嶌)
LATANYA 『The Album』 TVT(2000)
M・ドックが送り出した女性シンガー、ラターニャ。レジェンダリー・トラックスター作のシングル曲“What U On”にトゥイスタが登場したり、パブリック・アナウンスメントの面々が関与していたり、いま聴けば点と点がシカゴの線で結ばれる局面多し。(出嶌)
SOULSTICE 『North By Northwest』 Wandering Soul/handcuts(2005)
コモン『Resurrection』ふたたび? 滋味深いライミングを駆使するリリシスト、ソウルスタイスの初アルバム。ファーサイドのアレと同ネタで話題になった“Sleepwalk”など、ビート構築を一手に担うオディシーの手捌きもソウルフル。化けそうな逸材!(出嶌)
TYRONE DAVIS 『The Legendary Hall Of Famer』 Endzone(2004)
南部生まれながら、ブランズウィック入りを経てシカゴ・ソウルの重鎮となった故タイロン・デイヴィス(今年2月に他界)。厚みのあるバッキングに濃密なヴォーカルをしっくり馴染ませた本作が、結果的に遺作となってしまった。涙でシカゴの灯が滲む。(出嶌)