No I.D.――コモンとカニエを繋いだシカゴ・ヒップホップの偉人
まだコモン・センスと名乗っていたコモンの94年作『Resurrection』が話題となったのはその完成度の高いトラックだったが、そこでほぼ全曲をプロデュースしていたのは幼馴染みだというノーIDだった。そして、(時期は前後するが)スタジオで彼のアシスタントを務めていたのが、誰あろうカニエ・ウェストだったわけで、コモンとカニエの初対面を演出したのはノーIDだったということになる。
97年には自己名義作『Accept Your Own & Be Yourself(The Black Album)』もリリースし、コモンとのコンビを同年作で解消。(ショウナが在籍した)インファマス・シンジケートの作品ではカニエも頭角を表してきて、マッド・ラッパーの“Not The One”は師弟の共同プロデュースが実現。その後は名前を見なくなっていくが……Gユニットの名曲“Smile”を手掛けた2003年頃から精力的に仕事を増やし、DMXやゴーストフェイス、メソッド・マンなどをプロデュース。シカゴ勢の盛り上がりに際し、今年はドゥ・オア・ダイやユークリッド・グレイ(元パブリック・アナウンスメント)を手掛けている。今後、コモンやカニエとの再会はあるのか?
▼文中に登場したアーティストの作品を紹介
ノーIDの97年作『Accept Your Own & Be Yourself(The Black Album)』(Relativity)
インファマス・シンジケートの99年作『Changing The Game』(Relativity)
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