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特集

耳で聴いたピープル・トゥリー(2)

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2005年08月18日 14:00

更新: 2005年08月18日 16:01

ソース: 『bounce』 267号(2005/7/25)

文/大石 始、高橋 荒太郎、山西 絵美

MORGAN HERITAGE『Full Circle』 VP(2005)

  コンシャスなメッセージはもちろんのこと、とりわけ非の打ちどころのない絶妙なバンド・アンサンブルは〈現代版ウェイラーズ〉と言っても過言ではないはず。また、男女のヴォーカルが織り成すハーモニーがとことん心地良く、ボブの音楽と同様に平和を願う気持ちが高まります。(山西)

MANU CHAO『Radio Bemba Sound System』 Radio Bemba(2003)

  かつて在籍したマノ・ネグラではクラッシュ直系のサウンドを標榜していたマヌー・チャオも、ソロになってからはルーツ回帰とばかりにボブを思わせる歌唱スタイルを披露するようになった。が、それ以上にそのポリティカルなアティテュード/レベル・ロッカーとしての佇まいにはボブと重なり合う部分も多い。(大石)

SOUL SCREAM『The positive gravity~案とヒント』 FUTURE SHOCK/ポリスター(1999)

  ジャケの類似性だけではありません。このアルバムに詰め込まれたポジティヴなヴァイブレーションは、ボブ・マーリーの音楽的なスタンスと共通する大傑作でしょう。“7つの敵”や“7つの味方”などを筆頭に、決して消費されない普遍的なメッセージはボブと共に後世にまで伝えたい一枚。(高橋)

Spinna B-ill & the cavemans『Humarhythm』 AARON FIELD(2002)

  ジャケの類似性だけではありません。ルーツ・レゲエを基盤にしたバンド・スタイル、そこから発せられるメッセージや歌力にボブからの影響を感じずにはいられない。ちなみにラスト・ライヴのラストに演奏した曲は“No Woman, No Cry”。このジャケでのデビューから最後まで、彼らは筋金入りのボブ・チルドレン!(山西)

WARREN G『Take A Look Over Your Shoulder(Reality)』 G-Funk/Def Jam(1997)

  時代に左右されることなく、独自の音楽的欲求を純粋に追求し、素晴らしい作品を作り続けるウォーレンG。ヒップホップでボブ・マーリーの曲を使うって、ありそうで実は意外となかったりしますが、今作では“I Shot The Sheriff”を大胆にそのまま使用。心地良く仕上げる仕事ぶりにセンスを感じます。(高橋)

BAD BRAINS『Bad Brains』 Rior(1982)

  ヴォーカルのHR自身が敬虔なラスタということもあり、ハードコアのフィールドにいながらボブの魂をがっちりと継承しているバッド・ブレインズ。ファースト・アルバムとなる今作にてすでに独自のレゲエ・スタイルは確立されている。彼らを窓口にボブと出会ったキッズも多いはず。(山西)

SINEAD O'CONNOR『I Do Not Want What I Haven't Got』 Ensign(1990)

  現在はジャマイカ在住だとか、スライ&ロビーと新作を作っているとか、あれこれ噂のあるシニード・オコナー。彼女とボブの関係について思い起こすと、やはりボブ・ディランの30周年ライヴに出演し、大ブーイングのなかボブの“War”を歌ったことが思い出される。ボブはいつだって反抗する者たちのアイコンなのだ。(大石)

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