いまも闘い続けるボブ・マーリーの子供たち――WE MUST CARRY ON
MELODY MAKERS
リタの連れ子だったシャロン、ボブとリタの間に生まれた最初の娘=セデラ、長男ジギー、次男スティーヴンが結成した4人組。79年にボブ作の“Children Playing In Street”を吹き込み、85年の『Play The Game Right』で世界デビューを果たす。ジギー・マーリー&ザ・メロディ・メイカーズと改めての代表作『Conscious Party』(Virgin)など、99年までに10枚ものアルバムをリリースして、現在は活動休止中。シャロンはボブ・マーリー記念館の館長、セデラはタフ・ゴングの代表を務めている。
ZIGGY MARLEY
メロディ・メイカーズのリーダーとして活躍し、2003年の初ソロ・アルバム『Dragonfly』(Private)ではブルースやロック、ソウルも包括した力強い音楽性を聴かせた。最近ではサントラ『Shark Tale』でショーン・ポールと“Three Little Birds”を披露してもいる。
STEPHEN MARLEY
メロディ・メイカーズの一員として活動するなかでサウンド職人としての力量を磨き上げ、フージーズに関与した90年代半ば以降は多方面でプロデュース・ワークを展開していく。父の『Chant Down Babylon』で総監督を務めたほか、弟ジュリアンやダミアン、クレイジー・ボーン、イヴ、Mrチークス、ブジュ・バントン、ケイプルトンらの作品を手掛けていく。また、自身のレーベルとしてゲットー・ユースを主宰し、2003年にはマーリー・ボーイズ名義で実質的にはコンピとなる『Educated Fools』(Ghetto Youths/Lightyear)をリリース。一家の重要な音楽的ブレーンだ。
JULIAN MARLEY
白人女性を母に持つノーブルな顔立ちとガラガラ声のギャップが魅力的なシンガー。5歳で初録音を経験し、幼い頃からさまざまな楽器に習熟する。89年にその名も『Uprising』をリリース、メロディ・メイカーズへの参加を経て、96年の『Lion In The Morning』で世界デビュー。近作は2003年の『Time & Place』(Ghetto Youths/Lightyear)。スティーヴン、ダミアンと活動を共にすることが多く、プロデュースや楽器演奏で数多くの外部作品にも参加。
ROHAN MARLEY
元サッカー選手で、現在はローリン・ヒルの子供の父親としても有名。マエストロ名義でレコードを出したり、兄弟の作品でギターを弾くこともあるが、音楽を生業とはしていない様子。
KY-MANI
ジャマイカの卓球選手を母に持つ。US育ちでジャマイカのマーリー家とは一線を画した活動を展開。クリフトン“スペシャリスト”ディロンに見い出され、99年にボブとの疑似共演曲も含む『The Journey』(V2)でメジャー・デビュー。いまもマイアミ在住のようだが、ゲットー・ユース作品などには参加。
DAMIAN "JR. GONG" MARLEY
〈ミス・ワールド〉を母親に持つ、ハンサムな末弟。ヤシマベスらと組んだシェパードでの活動を経て、96年に『Mr. Marley』でデビュー。この兄弟では珍しく、歌ではなくDJをメインの表現手段に選んでいる。2001年のメジャー・デビュー作『Halfway Tree』(Ghetto Youths/Motown)ではUSのMC勢からバニー・ウェイラーまでを迎え、USシーンにも対応してみせた。『Def Jamaica』への参加やサイプレス・ヒルへの客演など外向的な仕事も多く、今年に入ってダンスホール・ヒット“Welcome To Jamrock”がNYにも飛び火! デフ・ジャムと契約の噂も?
STEPH POCKETS
リタの娘であるステファニー・マーリーとは別人だが、マーリー家が認めた以外にもボブの子供は大勢いるのだ。フィリー育ちのこのステフ・ポケッツは2004年のファースト・アルバム『My Crew Deep』が日本で大ヒットを記録し、AIのプロデュースなどでも活躍。リリースされたばかりのセカンド・アルバム『Flowers』(handcuts)ではボブのカヴァー“Could You Be Loved”を披露!
LAURYN HILL
最近リユニオンしたフージーズのメンバー。グループのEP『Bootleg Versions』でマーリー・ボーイズと共演したのをきっかけにロハン・マーリーと恋仲になり、愛息ザイオンを出産。ということで、ボブの孫の母親にあたるわけだ。ジュリアンもギターで参加した『The Miseducation Of Lauryn Hill』のリリース後はボブ絡みの名演が目立ち、“Turn Your Lights Down Low”を疑似共演したり、2003年の『MTV Unplugged 2.0』(Columbia)にて“So Much Things To Say”のカヴァーを披露したり。