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生誕60年を迎えてますます活気づく秘蔵音源のリリース……膨大なお宝の山からまず聴くべきはこの作品だ!!THE LEGEND LIVES ON

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2005年08月18日 14:00

更新: 2005年08月18日 16:01

ソース: 『bounce』 267号(2005/7/25)

文/大石 始

 伝説的アーティストの死後、その利権を巡っていざこざが起こり、どさくさまぎれに膨大な発掘音源が出される……というのは珍しい話じゃない。権利関係が不透明だったかつてのジャマイカであれば、それはなおさらのことだ。当然ボブの未発表音源も膨大な量が世に送り出されてきたわけだが、そのなかから〈本当に聴くべきもの〉だけを紹介しておこう。

 まずは、このたびリリースされたばかりの発掘音源集3タイトルから。『Live At The Quiet Knight Club June 10th, 1975』はアイ・スリー加入直後のUSツアーの模様を収めたもので、熱気迸るシカゴの小バコで暴れまくるボブがとにかく鮮烈。長尺ジャムを織り交ぜた“I Shot The Sheriff”に震える。『Studio Recordings Intro To The Matrix』は、名編集盤『Talkin' Blues』と同時期の、73年のUSツアーにおけるスタジオ・ジャムを収めたもの。バレット兄弟がもっともプログレッシヴなビートを叩き出していた時期のウェイラーズだけに、ウネウネ変体していくジャムが凄い。『Welcome To Dub Rock』は、アイランド期のダブ音源を集めた珍しい一枚。音質はよくないものもあるが、ラフな〈現場感〉がフレッシュだ。

 また、発掘音源のレア度で群を抜くのが、数種リリースされている〈Deluxe Edition〉シリーズ。なかでもUKでギターなどをオーヴァーダビングされる前の〈ジャマイカ・オリジナル・ヴァージョン〉をカップリングした『Catch A Fire』には、世界中のレゲエ・ファンがひっくり返ったもの。アレンジも曲順もまったく違う……って今まではなんだったの?とすら思わせる究極の発掘音源だ。衝撃度では『Catch A Fire』に劣るものの、『Exodus』の〈Deluxe Edition〉もライヴ音源やヴァージョン違いなどを収めた必聴盤。延々続く“Exodus”のライヴ・ヴァージョンに〈儀式的〉と呼ばれた当時のライヴの空気感を感じることができる。『Rastaman Vibration』の〈Deluxe Edition〉は、『Live At The Roxy』というタイトルでリリースされたライヴ音源も収録しつつ、マニア心をくすぐる別ミックス曲が聴きどころだ。

 ボックスセットのなかでまず聴くべきなのは、62年のデビュー曲“Judge Not”からラスト・ライヴの音源までを4枚のディスクに収めた『Songs Of Freedom』。切々と歌われるプライヴェートなアコースティック・セッションには全身に鳥肌が立つ。70年代初期のジャド音源を集めた3枚組『Grooving Kingston 12』は全69曲のレア音源が収められた満腹盤。アイランド期に突入する直前の熱気が漲る一箱だ。

▼文中に登場した作品を紹介

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