こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

特集

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2005年08月11日 15:00

更新: 2005年08月11日 20:44

ソース: 『bounce』 267号(2005/7/25)

文/佐々木 俊広

輝いて、感じて、ただ愛する……タリアの第六感



「人は生きていれば必ず絶対的な存在……私たち自身の本質や、より強くて明白な存在、より哀れみ深い存在と出会うことになると思うの。私は自分のなかの絶対的な存在、〈もうひとりの自分〉に出会ったのよ。自分の本質に戻りたかったし、これまでの自分を解放して重い足枷を取り払った。いま私は安らぎと安心を得て、以前は隠れていて知ることのなかった〈自分〉を知ったの。輝いて、感じて、ただ愛する……それこそが私の〈シックス・センス〉かしら」。

 ファット・ジョーとコラボレートした“I Want You”の特大ヒットも手伝い世界的な大ブレイクを果たした前作『Thalia』を経て、彼女を取り巻く環境はこちらが想像する以上に大きく変化したに違いない。〈ラテン・ポップのスター〉から〈ポップスター〉へ。大きなウネリに流されないためにも、彼女にはシンプルな思考を持つ〈もうひとりの自分〉を見つめ直す時間が必要だった。ただ、この2年間、何もなかったわけではない。デザイナーとしての才覚も発揮した自身のブランド〈タリア・ソディ・コレクション〉(アクセサリーにランジェリー、家庭用品まで多岐に渡るセレクション!)を手掛けたり、チョコレートのTVCMに出演したり……もちろん、レコーディングも進めていた。新作『The Sixth Sence』には彼女自身のペンによる楽曲も収録されている。いったい、どんな時にインスピレーションが湧いてくるのだろう。

  「それが、あり得ないような場所ばかり! シャワー中とか、キューバ料理のレストランとか。移動中の機内で、小さなバッグを机代わりにして書いたり。ある日は夜中の3時に目が覚めて、ベッドを抜け出して曲を書き上げたこともあったわ。思ってもいないときに限って湧いてくるのよね(笑)」。

 前作は先述したファット・ジョーとの共演を含めて、(当時の)USヒップホップのメインストリームを大きく意識した作り、という印象が強かったが、今作はすでにメキシコでもヒットしている先行シングル“Amar Sin Ser Amanda”からしてタンゴ・アレンジが利いたユニークなロックンロール(「この曲のプロモ・クリップはジェブ・ブライアンにお願いしたんだけど、イメージどおりの仕上がりで大満足よ!」)、コニー・フランシスの名唱で知られるオールディーズ・ナンバー〈2万4,000回のキス〉のカヴァーなど、目立ったゲストこそないがキレのいい緩急のバランス感覚が際立つ。プロデューサーとして迎えられたのはファビオ“エステファノ”サルガードとホセ・ルイス・パガンの名コンビ。これまでにシャキーラやチャヤン、マーク・アンソニー、クリスチャン・カストロといった大物たちを手掛けている、いわば〈ヒット請負人〉だ。多彩なアレンジワークにプログラミング、ギター……と(良い意味で)手クセをまったく感じさせないカラフルさが心地良いこと!!

「私のモチベーションになっているのは、〈毎日が人生を始めるチャンスだ〉って考えることかしら。新しい人間になって、これまで勇気がなくてできなかったことすべてに取り組んでみたいと思わない? 人生をフルに楽しまなくちゃ!」。

 なるほど。『The Sixth Sence』には、〈スマイルは永遠の若さのレシピ〉とでも言わんばかりの彼女の元気印がしっかり刻まれております。それじゃあ、いまいちばんチャレンジしたいのはどんなこと?

「真面目な話をすると、シンガーとして、女優としてもっともっと進化していきたいの。それにビジネスウーマンとして、デザイナー、プロデューサーとしても成長したいし、なにより家族を大事に育んでいきたいわ。最大のチャレンジは日々を楽しく過ごすことだと思うから。愛と平和のなかで私が楽しめる歌を歌って、私が感じるままに表現して自分自身に正直でいることかな」。

 タリアの〈第六感〉を鍛えているのは、そんな温かな感情の積み重ねなのかもしれない。

▼タリアの作品を紹介

インタビュー