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カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2005年08月11日 15:00

更新: 2005年08月11日 20:44

ソース: 『bounce』 267号(2005/7/25)

文/松田 敦子

肌の色を超えて拡がっていくナタリーの魅力



メキシカン・アメリカン(チカーノ)の4世として、ラティーノ人口がもっとも多い州のひとつ、テキサスで生まれたナタリー。家族や親戚の影響で、ラテン、ポップス、R&B、ヒップホップ、ロックとさまざまな音楽を聴いて育ってきたという。そのキャリアはダンスから始まり、ラップ、そして歌に移行という珍しいタイプだ。

「最初、ヒューストンのグループの振り付けをやっていたんだけど、その時にフリースタイル・ラップにチャレンジするようになったの。ヒューストンには大きなローカルのアンダーグラウンド・ラッパーのシーンがあって、私のラップがミックステープに入ったり、ショウでパフォームしたり、コンピに参加したりして、私の名前は一部の人たちの間で知られるようになっていったわ」。

 歌を始めたのはわずか2年前。フックで歌うようになったのがきっかけだとか。

「もともとR&Bが好きだったから、すんなりできたわ。実は“Going Crazy”は、私が初めて書いた、ラップのない歌オンリーの曲だったのよ」。

 その“Going Crazy”を手に彼女が訪れたのは、ベイビー・バッシュやフランキーJを抱え、飛ぶ鳥を落とす勢いのラティウム・エンターテイメントのCEO=チャールズ・チャヴェスだった。

  「チャールズとは7年くらい前からの知り合いなの。彼がちょうどラティウムを立ち上げた時、私はラップをしてて、彼は私と契約しようとしてたんだけど、タイミングが合わなかったの。それから、ずっと連絡を取っていて、ショウケースに呼んでもらったりしてたわ。それで、この曲を聴いて、〈よし、この曲でデビューだ〉って言ってくれたの」。

 ラッパーとしてしばらく活動していたナタリーは、アルバムのほとんどの曲のトラックを手掛けたプロデューサーのハッピー・ペレスとも旧知の仲だそうで、「彼とは相性もバッチリだったし、いいヴァァイブで仕事することができた」と語っている。バラッドから、ミッドテンポのダンサブルなチューンまで、透き通る声で、囁くように歌うナタリー。いい具合のポップ感がまた魅力的だ。新しいところでは、80'sのヒット曲であるニュー・シューズ“I Can't Wait”のカヴァーなんかもやっている。

 「みんなでスタジオにいた時に、ハッピーが〈80'sのリメイクをやったほうがいい〉って言い出したの。それで、80'sの曲をいろいろ聴いてたら、ユニバーサルのスタッフが“I Can't Wait”のメロディーを口ずさんだの。で、ハッピーが〈それだ!〉って言って、私はその夜、家に帰って歌詞を書いたわ。この曲はアルバムの中のお気に入りのひとつで、ショウではこの曲をオープニング・ナンバーにしてるのよ」。

 その〈ショウ〉というのは、彼女がいまベイビー・バッシュ、フランキーJと3人で回っている全米ツアーのことだ。

   「USの各都市を回ってるのよ。4月から始まっていて、8月の終わりまで続くの。ほとんどの都市がチケットはソールドアウトの状態よ。大勢の人が私たち3人だけを観にやってくるなんて、ビックリしちゃったわ」。

 ナタリーによると観客の多くがラテン系だが、アフリカン・アメリカン、白人、アジア人の姿も多く、彼女のファン・サイトを運営する彼女の熱狂的ファンもアジア人の女の子だそうだ。ナタリーのブレイクで新たなマーケットを掴んだチカーノのシーンは、この先もますます大きくなることだろう。

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