まさに夢の共演!!──スプラウト・ハウス・バンドの構成メンバーをご紹介
JACK JOHNSON
幼い頃からあたりまえのようにサーフィンを始める。腕前はプロ並みでスポンサーが付くほどだったが、大怪我を負って第一線を退くことに。そこで興味を持ったのが映像の世界。作品を製作する一方、サントラも手掛けるようになる。やがて本格的に音楽の世界に足を踏み入れて、その後の活躍はみなさんもご存知のとおり。(山西絵美)
▼ジャック・ジョンソンの作品を一部紹介
TOMMY GUERRERO
80年代にスケート・チーム、ボーンズ・ブリゲイドの一員として活躍、スケート・シーンのレジェンドとして絶大な支持を集める。その後、音楽家としての活動をスタートさせると、ジャズ、ヒップホップ、ラテンなどをゆったりとミックスしたサウンドが注目を集め、ミュージック・シーンにおいても時代の寵児となる。ジェット・ブラック・クレヨンほか別グループでの活動も盛ん。(達磨 剣)
▼トミー・ゲレロの作品を一部紹介
MARIO CALDATO JR.
ブラジル生まれ、LA育ち。高校時代からマニー・マークとバンドをはじめ、ビースティ・ボーイズの諸作品のプロデュースを手掛けたことで一躍注目を集める。ジャック・ジョンソンやG・ラヴ、ドノヴァン・フランケンレイターの作品プロデュースを手掛ける一方で、ブラジルのマルセロD2ほか世界各地のアーティストともコラボレート。世界でもっとも忙しいプロデューサーのひとり。(達磨 剣)
▼マリオ・カルダートJrの参加作品を一部紹介
MONEY MARK
待望の新作をリリースする異才
ビースティ・ボーイズの名盤『Check Your Head』にキーボーディストとして参加、第4のメンバーとしてその名を日本のファンの頭に刻み込み、以来ソロ活動だけでなく、ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン、ベックの作品に参加。混乱に拍車をかけるようなその見事な働きっぷりと縦横無尽っぷりに感動すら覚える、歌う元大工さん、マニー・マーク。そんなマークも「スプラウト」のサントラにスプラウト・ハウス・バンドの一員として参加、そのグルーヴ感溢れるキーボードを披露している。
「実はアルバムが出るまでよくわかってなかったんだけどね(笑)。〈おいお前、ジャックたちといっしょにバンドやってんだ?〉って友達に訊かれてさ、それで〈は~ん、俺たちスプラウト・ハウス・バンドっていうんだ〉って知ったくらいだからさ(笑)。それくらいユルいセッションだったんだ。ジャックたちがスタジオで録音してるってんで、スタジオに寄ってそのままジャムったって感じだったんだよ」。
マークも昔はサーフィンをしていたことがあったらしい。
「今じゃ時間がなくてできやしないよ(笑)。俺はいつも街にいるし、録音命!だからね。どこへ行きたいかって訊かれりゃ、そりゃハワイとか言ってのんびり波乗りとかしたいけど、行ったら行ったでそこで録音三昧さ(笑)」。
最近のサーフ・ミュージック・ブームについては「またジャンルで括り分けか(笑)。波乗りのグルーヴに合えば、それがそいつにとってのサーフ・ミュージックでいいんじゃないのかい? 厳密にそれを定義することなんてできやしないよ。俺の作る音楽にしたって同じことさ。人によく〈あなたの音楽とは?〉って訊かれるけど、そのたびに訊き返すようにしてるよ、〈お前はどう思う?〉って。俺にできることは自分が好きな音楽を作るということだけで、後は俺の仕事じゃない。人がそれをどうジャンル分けしようがね。それはサーフ・ミュージックにも言えることだろう? 俺が海でのんびり聴きたい音楽といえば、コルトレーンにビートルズさ。それが俺のサーフ・ミュージックなんだよ」。
ジャンル分けを否定し、自分の感情に正直な音を作り続けてきたマークの音楽は、ロック、ヒップホップ、ローファイ、トリップホップ、ジャズとさまざまな括りで語られてきた。そんなマークが待望の新作『Father Demo Square』をリリースした。NYに実在する広場に毎日出向き、その場の子供の声や笑い声、人々の会話に街のノイズ、雑踏の音にインスピレーションを得て、その場で録音したデモをLAのスタジオで完成させたという今回のアルバム。いつもどおりの音のおもちゃ箱的色合いは残しつつ、よりメロウでアコースティックな面を出した素晴らしい出来となっている。
「俺は自分にとってのオリジナルな音を求めて自分の音楽を作っている。このアルバムがどのジャンルに括られ、どのコーナーに置かれるのかわからないよ。ただ波乗りのグルーヴに合うのなら、お前のサーフ・ミュージックとして聴いてもらえるのなら、それはそれで最高だけどな(笑)」。
▼マニー・マークの作品を一部紹介
96年作『Mark's Keyboard Repair』(Mo'Wax)
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