ガンボな胃袋を誇る幅広いカヴァー曲群!! THE COVERS
BBOAは、カヴァー曲においても独特のセンスと哲学を持つグループでもある。というか、ズバリ言ってしまえば何を歌おうとも彼ら色に染め上げてしまう引きの強さがキモになるのだが、その視線はゴスペル~ブルース~ソウル~ヒップホップまで連なった、真っ直ぐなアウトバーンの先にある。
だから、アレサ・フランクリンの“Spirit In The Dark”はもちろん相性バッチリだし、そこにレゲエ・グランパ=ジミー・クリフ“Many Rivers To Cross”が並んでもまったく違和感がない。加えて、ジョン・メデスキーやロバート・ランドルフなど、この長老たちへの(彼らに比べれば)若い世代からのラヴコールが絶えないわけで、BBOAに自分の曲が歌われる喜びは相当なものだと思う(日本で例えるなら矢野顕子にカヴァーされるソレに近いのかな?)。なかでも、とりわけ素晴らしい出来なのがプリンス“The Cross”。殿下もさぞかしお喜びのことでしょう。新作『Atom Bomb』ではファットボーイ・スリム“Demons”を取り上げ 、これまた懐の深いところを見せている。
▼文中に登場したアーティストの作品を一部紹介