世代を超えた魂の交流~ベン・ハーパーとの幸福な蜜月関係 COLLABORATION WITH BEN HARPER
BBOAとベン・ハーパーの心の交流は、BBOAの2001年作『Spirit Of The Century』にてベンの“Give A Man A Home”をカヴァーしたことに端を発します。ベンのファンにはお馴染みの大名曲を郷愁たっぷりに歌い上げており、すでにこの頃から互いの相性の良さを誇示しているかのよう。その翌年にリリースされた『Higher Ground』では“I Shall Not Walk Alone”をカヴァー(ピアノのアレンジが泣ける!)。また同作の冒頭を飾るインプレッションズ“People Get Ready”のカヴァーにはベンがヴォーカル&ギターで参加。ブックレットには両者のにっこりスナップもあるので要チェック!
そんな経緯もあってグラミー賞を獲得した『There Will Be A Light』に至るわけです。これがベンにとって初のコラボ・アルバムという点も特筆すべきこと。もともとBBOAがアルバム用の楽曲をベンに依頼したところ、いくつか曲が完成した段階でいずれも素晴らしい出来だったため、急遽共作することになったのだそう。BBOAの持つ崇高な空気とベン特有のワイルドなロック臭が絶妙に絡み合い、それまでゴスペルに触れたことのない若者からも大きな支持を得ました。ちなみに、同作の制作終了間際(2004年夏)に両者は〈フジロック〉で来日。BBOAのステージにベンが乱入!なんて嬉しい事件も。
そして、昨年10月にアポロ・シアターで行ったライヴの模様もCDとDVDで登場したばかり。『There Will Be A Light』の楽曲を中心とした構成で、オープニングでのベンのギター・ソロから鳥肌が立ちっぱなし。特に、「BBOAのメンバー、ベン・ハーパー!」と紹介されてベンが涙ぐむシーンには心奪われます。互いを本当にリスペクトし合っているからこそ、芯のある、心のコラボレーションを可能にしたのでしょう。
▼文中に登場した作品を紹介