あっちからもこっちからもオファーが殺到! BBOAに魅了されたミュージシャンたち EVERYBODY LOVES B.B.O.A.
BBOAのコーラス・グループとしての類い稀な個性と輪郭をより際立たせ、大きな魅力のひとつとなっているのが多彩なアーティストたちとの異種格闘技的セッションの数々。BBOAの諸作にはゴスペルはもちろんロックやジャズ、ブルース、ヒップホップなどを出自とするさまざまなメンツが集っているわけだが、ここでは彼らの外部でのゲスト参加歴を中心に見ていこう。
まずはピーター・ガブリエル『Up』。そもそもBBOAのハーモニーに魅了され、2001年にみずからのレーベル=リアル・ワールドに彼らを招き入れたのだから念願の共演といえるだろう。“Sky Blue”“More Than This”でのBBOAの雄叫びが、アルバムにいっそうの深みを与えている。次はルー・リードが小説家エドガー・アラン・ポーにインスパイアされて制作したシアトリカルな『The Raven』。この複雑なパズルも、BBOAという1ピースがなければ完成しなかったはず。また、チャカ・カーンやアーロン・ネヴィルなど多くのアーティストに作品を提供しているソングライター、ラリー・ジョン・マクナリーの『Dandelion Soul』にも客演。BBOAの大ファンだというオールマン・ブラザーズ・バンドのウォーレン・ヘインズも参加しているあたりに、ラリーの心憎い演出が光る。
変わったところでは、〈ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ〉のリード・シンガーとしても有名なイブライム・フェレール『Buenos Hermanos』。ライ・クーダー、マヌエル・ガルバンらが描き出すモンド&エレガントなサウンドに乗って、アメリカとキューバの長老たちの歌声がユニゾンする様は感慨深いものがある。最後に録音共演ではないが、今年2月に行われたグラミー授賞式でのワンシーンを。ゴスペル曲“Walk With Me”を下敷きにしたカニエ・ウェスト“Jesus Walks”を、当のカニエ、メイヴィス・ステイプルズらと共にブチかましたBBOA。こりゃ、彼らの破竹の勢いはまだまだ止まることはなさそうだ。
▼文中に登場した作品の一部を紹介
ラリー・ジョン・マクナリーの99年作『Dandelion Soul』(dreamsville)