りさいくる館 RECYCLE PAVILION(2)
RED HOT CHILLI PEPPERS 『Mothers Milk』 Capitol(1989)
言わずもがなの“Higher Ground”の名カヴァー収録。レッチリ流パーティー・ファンクに翻案……とはいえども、実はオリジナルに忠実だったりする。そんなところからも、もともとの楽曲が持ったエヴァーグリーンな魅力を再確認したり、レッチリの愛を感じたり。(大石)
HITCH 『Soundtrack』 Columbia(2005)
公開中の映画のサントラですが、ラテンの要素を露わにしたピアノのフレーズが印象的な“Don't You Worry 'Bout A Thing”の、いまをときめくピアノ野郎=ジョン・レジェンドによるカヴァーに注目すべき。原曲に忠実ながらも、歌声のパッションで引っ張るあたりがジョンらしい。(佐藤)
NICK DECARO 『Italian Graffiti』 Blue Thumb/MCA(1974)
A&Mのプロデューサー/アレンジャーとして、恐らくはスティーヴィーにもデカい影響を与えてきたと思しき大家ニック・デカロ。名盤の誉れ高い今作では“Happier Than The Morning Sun”を麗しくカヴァー。これはちょっと原曲に比肩する出来でしょう。(出嶌)
INCOGNITO 『Tribes,Vibes And Scribes』 Talkin' Loud(1992)
前年にスティーヴィーの『Jungle Fever』に参加していたメイザ・リークのリードで“Don't You Worry 'Bout A Thing”をカヴァー。この曲のリミックスではスティーヴィーがハーモニカで返礼という美談もあり。彼らはライヴでもスティーヴィー曲を演っている。(林)
O'DONEL LEVY 『Everything I Do Gonna Be Funky』 Groove Merchant/Pヴァイン(1973)
ホーンやパーカッションを賑々しくあしらったグルーヴ・ジャズのド定盤。“Living For The City”を収め、オドネルの豪傑なギターが暴れ回るコッテリしたヘヴィー・ファンク作品に。思わずケツを鷲掴みにしたくなるほどグルーヴィー!(出嶌)
INTRO 『Intro』 Atlantic(1993)
80年代のスティーヴィーを代表するアーバンな佳曲のひとつ“Ribbon In The Sky”をストレートかつ愛情タップリにカヴァーしたのがこのイントロ。当時巷に蔓延しはじめていたワンダー・カヴァーのなかでも、ケニー・グリーンの真摯で素晴らしい歌はひときわ心に残った。(佐藤)
HEMO & MOOFIRE 『presents Under The Blanket』 ワーナー(2004)
古くはデニス・ブラウンやウィンストン・フランシスがカヴァーするなど、レゲエ界では常に人気だったスティーヴィー。今作にはL.U.S.Tによるアカペラ・カヴァー“For Your Love”を収録。4人の美声シンガーが艶やかに溶け合う名唱だ。(大石)
CARL THOMAS 『Emotional』 Bad Boy/Universal(2000)
ここに収められた“Summer Rain”は、曲名からも察しがつくように“Summer Soft”を引用。原曲の歌い出しのフレーズをフックに組み替え、ビートは軽やかながらも仄かな哀愁を漂わせた出色の仕上がりだ。次第に熱を帯びていくヴォーカルもオリジナルを意識?(佐藤)
TOTO 『Through The Looking Glass』 Toto/CMC(2002)
ヴェテラン・バンドのトトも、遅ればせながら……といった感じでワンダー・チューンに挑戦! しかも、ここに収録の“Living For The City”は、スクラッチを交えた不穏なヘヴィー・ロック・サウンドに美しいコーラスを加えた野心的な作り。いろんな意味で驚き!(出嶌)
MONDAY満ちる 『Episodes in Color』 ソニー(2002)
以前MONDAY自身も「すべてが系統立っていて、文句のつけようがない」と語っていた“Send One Your Love”の繊細なカヴァーを収録。NYのジャズ・ギタリスト、デヴィッド・ギルモアのアコースティック・ソロとMONDAYの丁寧なヴォーカルが涼風を届けてくれる。(大石)
『Conception : An Interpretation Of Stevie Wonder's Songs』 Motown(2003)
スティーヴィー歌唱の直系フォロワーとなるR&Bシンガーらが70~80年代の名曲を歌ったトリビュート盤だが、原曲がボブ・マーリー調だった“Master Blaster”を息子のスティーヴンらが歌うなどのヒネリ技も。マーク・アンソニーの歌う“All In Love Is Fair”もいいが、白眉はアンジー・ストーンの“You Will Know”。曲終盤でいくつものスティーヴィー名曲を歌い継ぐという欲張りな再構築ぶりに脱帽です。(林)
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