ここ1年ほどの注目盤を簡単におさらい(4)
TRUTH HURTS『Ready Now』 Pookie(2004)
ラファエル・サディークのレーベル、プーキーに移籍してリリースした2作目。デビュー・ヒットを記録したインド歌謡ネタ曲“Addictive”のようなハデさはない代わりに、彼女のシンガーとしての素材をくっきりと浮き彫りにしたミディアム中心の曲群が素晴らしい。ラファエルの手腕も鮮やかに冴えている。大人の女の粋なカッコ良さがたまらない。(佐藤)
TAMIA『More』 Elektra(2004)
才色兼備な歌姫タミアのサード・アルバム。ミディ・マフィアによるリミックスも話題になった、アコギ・トラックのしっとり美曲“Officially Missing You”をはじめ、R・ケリー作の極上メロウ・チューン“Questions”や、トロトロにとろけるファボラスとのサマー・ジャム“Into You”も収録。チャーミングでスウィートな美声は健在だ。(池田)
TIFFANY VILLARREAL『Tiffany Villarreal』 Universal(2004)
デビュー前から数々の客演を経験し、満を辞して登場した初のアルバム。透明感のある歌声でクールかつ艶っぽく迫る姿が魅惑的な彼女だが、今作はトライバル風味の“Fire”やレイクォンがお返し参加した“Rewind The Time”など聴きどころ多数。スロウでの伸びやかなヴォーカルにも惹きつけられる。次作での展開も楽しみだ。(佐藤)
SAMSON『Atmosphere』 Five Eight's(2004)
さまざまなインディー・ソウル盤が入手しやすくなっている昨今ですが、2004年最高のインディー・ソウル・アルバムとして話題となった名盤がコレ! ゴスペル出身の歌える正統派で、スムースで濃すぎない力唱と、その歌にじっくり酔わせるシンプルなアレンジに好感が持てる。メジャー・リリース予定だという次作も実に待ち遠しい。(池田)
TQ『Listen...』 HUB Muzic/Lightyear/ビクター(2004)
ウェッサイ系R&Bの人気シンガー、TQが自主レーベルからリリースした3作目。哀愁味を帯びたレイドバック・チューン“Right On”、タリブ・クウェリ使いが印象的なアップ“Listen”など、逞しくもしなやかな歌唱にグッとくるのは相変わらず。プリンス“Adore”のカヴァーでは本家ばりのファルセットも披露している。(池田)
H-TOWN『Imitations Of Life』 H-Town(2004)
2003年にリーダーのディノが事故によって急逝したが、その生前に制作されていたのがこの最新作だ。タフで甘い肉感的なヴォーカル&コーラスがまさに彼ららしい今作、当然のように全体をどっぷり支配するのはセクシーな重厚スロウ。その濃密さに汗だくになる会心作だ。ビッグ・マイクも後半のアップ曲で参加して盛り上げています。(佐藤)
BC『Candyman : Love Letters』 BC Swang Music(2004)
90年代半ばにデビューしたヴォーカル・グループ、IVイグザンプルからソロとなったBCの正式なファースト・アルバム。メイクラヴにもってこいのスムースでロマンティックな官能スロウにもうあちこちズブ濡れ。スウィート・タイムを提供し、キャンディ・ショップへと誘うような優良インディー・ソウル盤。(池田)
MARK MORRISON『Just A Man』 2 Wikid(2005)
“Return Of The Mack”が大西洋の両岸でビッグ・ヒットを記録して一躍注目を集めたUKのシンガー、マーク・モリソンがカムバック! ダズ・ディリンジャーによるリミックス曲やロジャーのカヴァーも話題を呼んだが、美メロなスロウもイカす。やっぱあの独特な美声(?)がたまらない。でも、デス・ロウUKからのリリース話はいずこへ?(池田)
ALLURE『Chapter III』 Truwarrier(2004)
トリオ編成になったアルーアの通算3作目。デビューが華々しかったせいで実力を疑われがちだが、パワフルなヴォーカルやコーラス・ワークの頼もしさは折り紙付きだ。楽曲ごとの個性がクッキリした今作でもその地力は健在で、象男とのダンスホール・チューン“Uh-Oh”のようなアッパー曲もしっとりしたスロウも上手くまとめ上げている。(出嶌)
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