ここ1年ほどの注目盤を簡単におさらい(3)
THE 411『Between The Sheets』 Sony UK(2004)
グループ名からあのメアリーJ・ブライジの傑作を想起させるロンドン発の女子4人組。ゴーストフェイス参加の“On My Knees”をはじめ、しっかりしたコーラス・ワークを基盤に、メンバーの多彩なバックグラウンドを垣間見させるヴァラエティー豊かでキャッチーな曲がたっぷり収録。UK産ならではの旨みも十分だ。(佐藤)
JAY SEAN『Me Against The World』 Relentless/Virgin(2004)
最高レヴェルのUK産R&B作品! リシ・リッチが送り出すUKエイジアン・シンガーのデビュー・アルバムで、同じくリレントレスから登場した当時のクレイグ・デヴィッドを思い出させるが、爽やかさとワビサビが入り交じったメロディアスな楽曲の雰囲気もそんな感じ。ソフトなバングラ・スパイスも効いた快作だ。(出嶌)
ASHANTI『Concrete Rose』 The Inc./Def Jam(2004)
所属するジ・インクに逆風が吹くなかでのオリジナル3作目。ドス黒い妖しさが渦巻くシングル曲“Only U”を筆頭に、これまでにない曲調にも野心的に取り組み、ジョデシィ使いの“U”などではセクシャル度もググッとアップ。ふたたび手を組んだセヴン・オーレリアスの功績も大きい充実作だ。喜悦顔を見せるジャケもよろしい。(出嶌)
CHRISTINA MILIAN『It's About Time』 Island(2004)
このセカンド・アルバムにしてようやく本国USデビューを果たし、大ヒットを記録したミリアンちゃん。先行シングル“Dip It Low”では驚きのセクシー路線へガラリとイメチェンしたが、アルバム全体を聴けばキュート路線も忘れないカラフルさが絶妙。何より格段にレヴェル・アップしたヴォーカルが輝いている。彼女の代表作になり得る傑作。(佐藤)
FAITH EVANS『The First Lady』 Capitol(2005)
心機一転、キャピトルに移籍しての4年ぶりのカムバック作。オールド・ソウル使いが温かいリード曲“Again”の歌いっぷりからして実に晴れやか。同曲を手掛けたアイヴァン&カルヴィン、ネプチューンズや盟友チャッキー・トンプソン、マリオ・ワイナンズらと、いままで見せなかった多彩な表情を披露した快作にして傑作。(池田)
CIARA『Goodies』 LaFace/Jive(2004)
フロア・チューンのシングル曲に反してアルバムは案外オーソドックスだというパターンの好例。クランク姫ことシアラのデビュー・アルバムで、リル・ジョンによる“Goodies”やミッシー・エリオットが客演した“1, 2 Step”は典型的なフロア対応曲だが、他の曲はアトランタの職人たちによる滋味深い佳品が満載。ケツもハートもホットな名作。(出嶌)
BRANDY『Afrodisiac』 Atlantic(2004)
カニエ・ウェスト制作の先行カット“Talk About Our Love”で鮮やかな再スタートを切った4作目。プライヴェートでのさまざまなドラマを乗り越えた彼女のヴォーカルは、いままでになく感情を露わにし、確実にスケールアップしている。ティンバランドとの意外な相性の良さも見事に証明してくれた、非の打ちどころのない圧倒的な傑作。(佐藤)
NINA SKY『Nina Sky』 Next Plateau/Universal(2004)
昨年の人気リディム〈Coolie Dance〉オケの“Move Ya Body”で記憶される……はずだったのが、レゲトン人気も手伝ってグングン再浮上してきているプエルトリカン姉妹。このファースト・アルバムではオーセンティックなヒップホップ・ソウル風味を覗かせたりしているけど、次のアルバムはよりルーツに根差したイケイケ盤かね?(出嶌)
TRINA BROUSSARD『Same Girl』 Motown(2004)
諸レーベルを転々とした後、名門モータウンから悲願の再デビューを果たしたトリーナ・ブラッサードの初アルバム。ふくよかで伸びやかな歌声は多彩な表情を覗かせ、柔らかな聴き心地を残す。豊かで味わい深いアコースティックなサウンドも相まって温かい空気感が全編を包み込んだ逸品。ラサーン・パターソン、ヴァン・ハントらもゲスト参加。(池田)
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