ここ1年ほどの注目盤を簡単におさらい(2)
JON B『Stronger Everyday』 Sanctuary Urban(2004)
サンクチュアリー・アーバンへ移籍してリリースした3年ぶりの新作。故ダート・マクガートや2パック、師匠ベビーフェイスらとの共演はもちろん、あきらかに成熟度を増したヴォーカルと、スムースで洗練された極上のプロダクションが耳を捉えて離さない。その充実ぶりは彼の作品中過去最高で、心機一転に相応しい一枚です。(佐藤)
BRIAN McKNIGHT『Gemini』 Motown(2005)
30代半ばにして大ヴェテラン。オリジナル・アルバムとしては7作目となる本作でも、余裕と貫禄漂うジェントルなエスコートに身を委ねたい、ミッド~スロウが大充実。正式リリース前からグラミーにノミネートされたのも納得の“What We Do Here”、壮大なバラード“Everytime You Go Away”、話題のエイコンやジュヴィナイル参加曲も収録。(池田)
JOHN LEGEND『Get Lifted』 Getting Out Our Dreams/Columbia(2005)
カニエ・ウェストに見い出された自作自演シンガーのメジャー・デビュー作。オールド・ソウル風味とヒップホップ的なヴァイブを高い地点で融合させた作風は、ネオ・ソウル云々以前に現代的なアーバン・ミュージックの最高水準を叩き出している。グラミー授賞式でのゴスペル・パフォーマンスもいまだ記憶に新しい俊英。(出嶌)
112『Pleasure & Pain』 Def Soul/Def Jam(2005)
90年代屈指のヴォーカル・グループもついにデビュー10周年! P・ディディの関与は当然ないが、メンバーのダロン・ジョーンズを中心に、朋友マリオ・ワイナンズ、ダレル・アランビーらが濃厚で粋なミッド~スロウをガッチリと構築。ラッパー絡みの名曲も多い彼らだけに、スリー6マフィア、T.I.との絡みもバッチリだ。(出嶌)
ATL『The ATL Project』 Epic(2004)
ズバリ、名前どおりにアトランタ出身のボーイズ・グループ。ジャジー・フェイをはじめ、同地を代表するプロデューサー組合=ヌーンタイム勢がバックアップし、密かにシアラも2曲で参加! R・ケリーやマリオ・ワイナンズらのゲストも豪華で、フレッシュな歌声&楽曲の完成度も素晴らしいのに、いまだにUSリリースがないとは……。(池田)
DESTINY'S CHILD『Destiny Fulfilled』 Music World Music/Columbia(2004)
先行ヒット“Lose My Breath”のような突進曲も従来の彼女たちらしくて痛快だが、今作のキモとなるのは繊細でいて個々のカラーがイキイキと重なり合うヴォーカル&ハーモニー。ソロ活動や恋愛観の変化も手伝ってか、その歌声はあきらかにふくよかで奥深く響く。現代ソウル作品として傑作と呼ぶに相応しい一枚。(佐藤)
JAY-Z & R. KELLY『Unfinished Business』 Roc-A-Fella/Def Jam/Jive(2004)
あり得ないと思われていた再合体が、まさかの実現! チャートでは首位を獲得、念願の合同ツアーも行われたが、例の拳銃騒ぎでいきなり破局……。ジガのフロウ&ケリ男の歌ラップとか2人の絡みも絶妙なのに、この結末は残念。もしかして、全部が筋書きどおり? んなワケない? 3度目の復活もあったりして!?(池田)
MARIO『Turning Point』 J(2004)
〈ポスト・アッシャー〉の最右翼にして、いまや不動のスターとなったマリオ。全米No.1を独走したスロウ“Let Me Love You”のように抗しがたい魅力を備えた楽曲が並ぶ一方で、中庸と取られかねない側面もあるが、ベイビー・シャムとのユル~いレゲエ曲“Girl I Need”やクランク・ビートなど、多彩なトラックへの対応力に旬の輝きが見える。(出嶌)
NEW EDITION『One Love』 Bad Boy/Universal(2004)
結成20周年の折にバッド・ボーイへ移籍した〈リヴィング・レジェンズ〉の復活アルバム。ボビーの不在に寂しさを覚える隙も与えないラルフとジョニーのヴォーカルから伝わるのは、まぎれもない現在進行感。マリオ・ワイナンズの助力も効いている。若作り……ではなくまだまだ若いのだ、という部分を見せつけた会心作。(佐藤)
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