ここ1年ほどの注目盤を簡単におさらい
DISC GUIDE
TWEET『It's Me Again』 Gold Mind/Atlantic(2005)
2002年のデビューから約3年ぶりとなるセカンド・アルバム。今作もまたミッシー・エリオットが制作に大きく関わり、トゥイートの瑞々しい歌声をタペストリーのように織り上げた美曲がぎっしり。クワメとミッシーの共同制作によるシングル“Turn Da Lights Off”をはじめ、ノスタルジックでじんわり染みる味わい深い作品。(佐藤)
JENNIFER LOPEZ『Rebirth』 Epic(2005)
女優業も順調なジェニーさんの通算4作目は、ハッキリ言ってあきらかな急造作ではある。話題になったアッシャーのボツ曲リサイクル“Get Right”をはじめ、ブランディのボツ曲っぽいのもあったり、いかにもプロデューサー・ミュージックらしい体裁だ。ただ、それでも最高の内容に仕上げてくるのがプロデューサー・ミュージックのおもしろさなのです。(出嶌)
TEEDRA MOSES『Complex Simplicity』 TVT(2004)
伸びやかで澄み渡った麗しい美声を持つ才女ティードラ・モーゼスのファースト・アルバムは、ヒップホップの影響下にある上質ネオ・ソウルといった趣き。スペイシーで幻想的な音作りが巧いポーリー・ポールをはじめ、ラファエル・サディーク、ジョン・スミス(リル・ジョン)も制作に参加。いつまでも聴けそうな名品。(池田)
BROOKE VALENTINE『Chain Letter』 Virgin/東芝EMI(2005)
リル・ジョンがまたまた手腕を発揮した〈cRunk&B〉スタイルのデビュー・シングル“Girlfight”で過激にデビューしたヒューストン出身のパワフル美形ギャル。さまざまなエレメンツが入り混じった奔放で個性的なスタイルは、シアラと比べるよかグウェン・ステファニー、ピンクといった豪快姉さん系? 故ODB参加曲もアリ。(池田)
URBAN MYSTIC『Ghetto Revolutions』 Sobe/Warner Bros.(2004)
この塩辛~い激シブ声にはとにかく痺れた。顔と声のギャップあり過ぎでしょ! 19歳なのに超オッサン声、そして相当歌えるフロリダからのスゴイ新人で、各所から大絶賛。ケイ・ジーやエル・デバージ、ジャッキー・Oらも参加し、ソウル曲のネタ使いも巧妙な秀曲が揃いまくり。ボビー・ウォマックのカヴァーもアリ。(池田)
MARIO WINANS『Hurt No More』 Bad Boy/Universal(2004)
フージーズ“Ready Or Not”でもお馴染みのエンヤ曲をネタ使いした“I Don't Wanna Know”の大ヒット以降、ふたたびプロデュース依頼が殺到することとなったマリオ・ワイナンズのセカンド・アルバム。センシティヴでやるせないマリオ節はガラス細工のように繊細で美しい。マドンナやデバージ曲の大ネタ使いもアリ。(池田)
GERALD LEVERT『Do I Speak The World』 Atlantic(2004)
毎年欠かさずに新作を届けてくれるこのクマ親父は、ラッパーさえも歌い出す時代にR&Bがどうあるべきかを示す鑑でもある。ふくよかなステッパーズ曲も麗しい本作では、復調したダレル・アランビーらと共に無理のない新しさを提示。父親エディ(オージェイズ)やレヴァート・キッズ(!)も登場して、いよいよ三世代共演ですか!!(出嶌)
LLOYD『Southside』 The Inc./Def Jam(2004)
ジ・インクから彗星のように現れた肉感的な男性シンガーではあるが、元はアトランタのキッズ・グループ、N・トゥーン出身のロイド君。アイドルらしい華やぎも微かに滲ませながら、アーヴ・ゴッティやクール&ドレーによるメロウ・トラック上でナヨナヨと歌う様子が最高だ。アシャンティ、スカーフェイスらの参加も的確。(出嶌)
HOUSTON『It's Already Written』 Capitol(2004)
チンギーらを従えた“I Like That”で華々しく登場したヒューストンのデビュー作。ヒップホップとR&Bの融合、とはいえレディ・フォー・ザ・ワールドのカヴァーなど意外にオーソドックスな美麗スロウがあったり、ヴァラエティー豊かな内容で聴き応えは十二分。ラフにもスゥイートにも、振れ幅の広いレディー・キラー。(佐藤)
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