マライアの最高傑作が完成!!
この記事が出る頃にはエラく旧聞に属する話題になってしまうが、またも〈ハミ乳〉とか〈胸ポチ〉とかオヤジ週刊誌レヴェルの話題で語られてしまったマライア姫。最上級の完成度を誇るニュー・アルバム『The Emancipation Of Mimi』の内容にまったく触れられないのはイイとしても、そういう偏見がバリアになってこの恐るべき作品がR&Bファンに届かなくなるのはイカンだろう、とか思うわけだ。
個人的には『Butterfly』(97年)以降のマライアがダメだったことは一度もないけれど、日本でもお茶の間に浸透する人気を誇っただけにどうしても近年の動きが低調に見えていたのも事実。謎のスケベぶりにも拍車が掛かっていたわけだし。それでも、『The Emancipation Of Mimi』は前作『Charmbracelet』(2002年)の好調を受け継いで現行R&B/ヒップホップをマライア節で寄り切った快作である。キャムロン“Oh Boy”を聴いてすぐさまそのプロデューサーであるジャスト・ブレイズにプロデュースを依頼したような前作でのカンの良さは、幸運にも盟友ジャーメイン・デュプリの再好調期とシンクロした“It's Like That”をはじめ、ジェイムズ・ポイザーやレジェンダリー・トラックスターも招聘するなどの王道的な人選で新作にも見事に息づいている。何回でも言うけど、R&Bファンの皆様、マライアがあなたたちの腕の中に帰ってきたのよ!
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