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カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2005年05月06日 14:00

更新: 2005年05月06日 18:54

ソース: 『bounce』 264号(2005/4/25)

責任感を感じることはクールさ

 そんな彼が今作でプロデューサー/制作に選んだメンツがまた豪華。先述のアンダードッグスをはじめ、ロドニー・ジャーキンスやオールスターなどなど、メインストリームR&Bのビッグネームたちが集結し、彼のテンダーなヴォーカルとの見事なコラボレーションを聴かせてくれる。

「プロデューサー選びにいちばん大事なのはヴァイブ。自分のオーラっていうのはいっしょにつるむ相手によって培われるんだ。今回はアンダードッグスととてもヴァイブが合ったし、ネプチューンズのファレルもほんとに素晴らしいプロデューサーだね。あとコーナー・ボーイズ。彼らは絶対に何か違うものを持ってると思った。スタジオに入ったとたん、お互いに反応し合って最高のヴァイブで仕事ができたんだ」。

 他にも「実は小学校が同じだったんだ!」という元3rdストーリーのK・ヤングや兄貴分のマーカス・ヒューストン(血縁はないとのこと)、さらにはアウトキャストのビッグ・ボーイとの共演も。これは新鮮だ。

「ビッグ・ボーイとのコラボはまったく予想してなかったんだ。A&RのKP(ダンジョン・ファミリー周辺のグループ、P.A.のメンバー)はアトランタの出身だからほとんどみんな知り合いなんだ。まず“Never Gonna Let You Go(She's A Keepa)”が80's的でソウルフルな出来になって、ラッパーが必要だということになった時、〈ビッグ・ボーイとやれたらな〉と思ったんだ。あの曲は自分にとって他の曲と違った雰囲気を持っているから、また違ったアプローチができるラッパーが欲しかった。だからKPがビッグ・ボーイの参加をクリアにしてくれた時はホントに興奮したよ」。

 また、自身も数曲で作詞に関与し、「作詞作業はホントに楽しくて大好きさ」と語るオマリオン。では、例えばマーカス・ヒューストンのように楽曲制作からプロデュースまでひとりで手掛けることに興味はあるのだろうか?

「これはオレの初めてのソロ・アルバムだから、クリエイティヴィティーのある作品をキッチリ作りたいっていう意識があったんだ。自分が思いきり制作に関わりたい気持ちもあったけど、だからといって、ムリして自分で作ったクールじゃない曲をアルバムに入れるわけにはいかないしね。だから才能あるプロデューサーたちの助けを借りて、自分を上手く表現することに成功したと思ってるよ」。

 どうやらその選択は大いに正解だったようだ。全米アルバム・チャートでも1位を獲得し、オマリオンは〈いっぱしのオトナ〉として独り立ちに成功したのだから。

「もちろん不安はたくさんあった。いまはセールスとかすべての結果が出てきているけど、それまではプレッシャーで潰されそうだった。自分のソロ・プロジェクトがどういう方向に行くかなんてまったく想像できなかったし。いまはソロというポジションに満足してるよ。責任感を持つということも覚えたし。前はグループの誰かが遅刻しても連帯責任だったけど、いまはすべて自分ひとりの責任になる。でも、責任感を感じることはクールだし、楽しんでるよ」。

 そして、「男女関係なく、ビルボードにいるアーティストは全部ライヴァル」とまで語るO君。その魅力は今後ますます世代を超えて愛されるだろう。

「いまじゃ30代の女性だってオレの“O”を口ずさんでくれてるからね! やったぜ(笑)」。

▼『O』に参加したアーティストの作品を一部紹介

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