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カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2005年05月06日 14:00

更新: 2005年05月06日 18:54

ソース: 『bounce』 264号(2005/4/25)

やれることは全部やってみたいわ

 また、そのリッチ・ハリソンが手掛けた“1 Thing”を巡ってレーベル側との衝突があったというビックリするような事実も。しかしこれまた彼女の新しい武器となった積極さを象徴するようなエピソードである。

「あの曲、実は去年の6月には出来上がっていたのよ。でもレーベル側には〈何かが欠けてる〉とか〈あまり好きじゃない〉なんて言われちゃってね。私たちは欠けてるものなんて何もないと思っていたから、マネージャーと勝手に判断して、ある人にトラックを渡してインターネット・プロモーションをしたの。彼は全国のDJのリストを持っていたから、コトは簡単だったわ。クリスマスあたりに700人のDJにあの曲を送って。そしたら物凄い反響を呼んで、ようやくレーベルも重い腰を上げてくれることになったというわけ。〈ほらね!〉って気分だったわ。自分たちの勘を頼りにやったことだけど、狙いが当たって本当に嬉しかった。神様に感謝してるわ。前とはタイプの違うああいう曲を持ってきたことでレーベルが当惑した気持ちも理解はできるのよ。だけど、私はずっと〈お願いだから私たちを信じて!〉って言い続けたの。マネージャーも〈これだ、これしかない!〉って(笑)。でも最後は自分たちで証明して見せるしかなかったのよね」。

 美や才能や頭脳など、何か秀でたものを3つ以上併せ持った人を〈トリプル・スレッド(Triple Thread)〉と呼ぶけれど、そこに揺るぎない自信が加わればもう敵ナシってコトか。

「やれることはすべてやってみたいわ。〈最近はアーティストが何にでも手を出して……〉みたいな論調があるけれど、アーティストはクリエイティヴな人間だもの、仕方がないわ、って思う。去年フォレスト・ウィテカーが監督した〈First Daughter〉という映画では準主役を務めたんだけど、それ以来映画の世界がすっかり気に入っちゃって。その時その時によってプライオリティーを変えてじっくり時間をかければ、いろいろなことが可能だと思うの。人生は長いし、計画さえしっかりしていれば多くのことが実現可能なのよ。オプラ・ウィンフリーは朝4時に起きるっていうけど、あんなに忙しい人でも必ず時間を見つけて貪欲に新しいことにチャレンジしているじゃない?」。

▼『Touch』に参加したアーティストの作品を一部紹介

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