今回はエモーショナルにいくわよ!!
遠慮しないで触って!!
2002年のファースト・アルバム『All I Have』から“Why Don't We Fall In Love”がスマッシュ・ヒット。アジア人を母に持つという親しみやすさも相まって日本でも大人気のエイメリーが、いよいよ待望のセカンド・アルバム『Touch』をリリースした。ウィル・スミス主演のラヴコメ映画「最後の恋のはじめ方」(原題「Hitch」)の主題歌としても大ヒット中の先行シングル“1 Thing”は盟友リッチ・ハリソンがプロデュース。プロモ・クリップでアゲアゲなファンキー・チューンに合わせて踊りまくるエイメリーの姿を観て、驚かされたファンも多いことだろう。
「前作のイメージでみんなが私のことを〈優等生〉とか〈マジメ〉みたいなふうに思ってることを知って(笑)。〈えー、そうだったの?〉って思ったわ。正直言って、ちょっと心外だった。ていうか、悪いことじゃないけど、それが私の全部と思われるのはイヤじゃない? だから今回はもっとオープンになって、違った面も見てもらう必要があると思ったのよね。アルバムのタイトルを『Touch』にしたのもそういう理由なの。タイトル曲では〈私がいいコだからって触るのに遠慮なんかしないで〉って歌ってるわ。前作の時は〈うーん、まだこんなトピックは早いかな〉と自制してしまう部分がたくさんあって。初対面の人とどういう話をしたらいいのか迷っている雰囲気に近かったかしら」。
気になるこの〈脱・優等生〉発言を裏付けるような新しい試みは、サウンド的にもそこここに聴こえる。前述のリリックにしても、こちらがドギマギしてしまうようなセンシュアリティーを感じさせる箇所多し。エイメリー、オトナになりましたね。
「自然な成長の一部というか。だって、デビュー・アルバムがリリースされたのは2年半前のことだけど、あのなかの多くの曲を作ったのって、5年以上も前のことだったのよ! 前作で全体的にピュアっていうか、エモーショナルで肉体的なことを感じさせるものはなかったでしょ、全然(笑)。だから今回はそこを突きたかったのよ。そういうセンシュアルな部分を話す心準備もできたし、もっと成長してメンタル的にもいい段階にあると思ったから。自信もついたし、前よりも主張できるようになったわ。その心境の変化をこのアルバムにも反映させたかったのよね。だから今回はプロダクションにも積極的に参加してみたの。“Just Like Me”っていう曲では私が演奏したフルートの音をサンプルしているのよ。前からやってみたかったことだから、今回実現してとても嬉しいわ。タイトル曲はリル・ジョンのプロデュース。彼にしては珍しく〈Yeeeaaahhh!〉って叫んでいないけど(笑)、〈セクシー・クランク〉って感じの曲ね。あとはレッド・スパイダやドレー&ヴィダルとも組んだわ。ただ、半分くらいの曲はリッチ(・ハリソン)のプロデュースよ」。
リッチ・ハリソンといえば、彼女と組んだ前作のヒットで世の注目を浴びたのがそもそものスタート。デビュー時のインタヴューで彼女は「故郷DCのマクドナルドの駐車場でデモCDのやりとりをした」という微笑ましいエピソードを披露してくれたものだが、そのリッチもいまではビヨンセやジェニファー・ロペスなどを手掛ける、押しも押されぬスーパー・プロデューサーだ。
「ほとんど誰も彼のことを知らなかったし、私も無名の新人だった。だから彼と二人三脚でいっしょに成長できたのは素晴らしい経験だったわ。私も彼も成功してそれぞれに忙しくなったけれど、それでも感覚はまだあの頃と変わらないし、やっぱり彼との間には他の人とは違ったケミストリーが生まれるのよね。彼がいろいろなスターと仕事するようになっても、彼は本当に頑張っていたし、確かな才能の持ち主だから私は驚かなかったわ。彼のサウンドはフレッシュだし。〈私たちのことは私たちしか知らないね〉って言いながら2人で仕事してた頃のことを思い出すわね」。
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