フィッシュマンズ
フィッシュマンズの歴史は87年、初夏に始まる。きっかけは、66年2月16日生まれの佐藤伸治が、当時在学していた明治学院大学の定期演奏会に向けて結成した3人組であった。ドラムスは、佐藤の所属していた音楽サークル〈ソングライツ〉の後輩、67年12月15日生まれの茂木欣一。ギターは、大学の同期で他の音楽サークル〈LMS〉に所属していた、66年1月28日生まれの小嶋謙介。そして佐藤はヴォーカル/ベースを担当、まさしくポリス編成でのスタートであった。
他のあまたの音楽少年同様、大学進学以前からバンドを組んで活動してきた佐藤であるが、フィッシュマンズ前のバンド〈時間〉時代にスカ~レゲエに開眼、それまでパンク~パワー・ポップ的だった自作曲にも多彩なリズム・アプローチを試み始めていた。その指向はフィッシュマンズにも当然のように引き継がれることになる。
結成からすぐにフィッシュマンズはベース・プレーヤーを加え、オーディション用のデモテープ作りに励んでいる。88年3月、渋谷のライヴハウス、ラ・ママのオーディションを受け、結果は見事合格。5月には初ステージを踏むも、留学を理由にベーシストが脱退してしまう。その年の8月、後任としてメンバーに加わったのが、68年12月20日生まれの柏原譲である。そのころ柏原は、〈ソングライツ〉のサークルメイトで、後の95年にメジャー・デビューするギター・ポップ・バンド、カスタネッツでベースを弾いていたが、茂木の誘いに快く(?)応じたのだった。4人目のフィッシュマン、誕生。
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