URの名の下に集った闘士たち── THE INTERSTELLAR FUGITIVES !!
JEFF MILLS
ウィザードなるDJ名でいまなおデトロイト・ヒップホッパー連中の間では伝説の存在だというジェフ・ミルズ。マッド・マイクとURを結成し、ロバート・フッド(ヴィジョン)を加えたX-101でのアルバム、そしてURの存在を強烈に知らしめたヨーロッパ・ツアーでのプレイ、後のジェフ的ハードさを予感させる実質的ソロ・ワーク=X-102と活動を遂行していくも、活動拠点をNYに移すため、名作“World 2 World”を最後に脱退。その後はフッドと共にアクシスを設立し、いわゆるハード・ミニマル的手法を確立させる。URとは長らく付かず離れずの関係だったが、2000年にDJロランド〈Jaguar〉のリミックスで再会を果たした。
ROBERT HOOD
なんと伝説のURヨーロッパ・ツアーにはラッパー(!)として参加していたヴィジョンことロバート・フッド。URとの共作となるX-101、URからのソロ・シングルを経て、UR脱退後のジェフ・ミルズと共にアクシスを設立。ハード路線を突き進むジェフとは異なり、音数を絞って淡々としつつもコクのあるミニマル路線を自身のレーベル=M・プラントで追求。この方向性は後のクリック・ハウス勢に多大な影響を与えた。
JAMES PENNINGTON
URポッセのなかでもっとも闇を感じさせる男が、サバーバン・ナイトことジェイムズ・ペニントンだ。デリック・メイのトランスマット発だというのが嘘のように不穏でドス暗い“Art Of Stalking”をリリースし、それに衝撃を喰らったマッド・マイクの勧誘によってUR加入。名曲“Nocturbulous Behavior”、URをもダークサイドへ巻き込んだ“Dark Energy”、そして唯一のアルバム『My Sol Dark Direction』と、寡作ながら影響力は大。実はいちばんフロア映えする音だったりして。
DJ ROLANDO
URポッセの中で唯一のメキシカンであるDJロランドはURの3代目DJとして活動しつつ、アズテック・ミスティック名義で数枚シングルをリリースしていたが、99年の“The Knights Of The Jaguar”がハウス・シーンにも広がるUR史上最大の超ヒットとなり、一躍URの看板役者となった。先頃リリースされたジェラルド・ミッチェルとのユニット=ロス・ヘルマノスのアルバムでもビートの効いた最新モードのデトロイト・テクノを炸裂させている。
DREXIYA
デトロイト最大の謎……それがドレクシアだ(った)。衝撃のファースト・シングル“Deep Sea Dweller”でのウネリ倒すシンセに導かれたダーク深海エレクトロ紀行はヨーロッパで大きな反響を呼び、リフレックス、ワープ、トレゾーからもリリースされたほど。97年のベスト盤『Quest』リリース後、ジェイムズ・スティントンのソロ・ユニットとなった後はダークさも抜けたように見えたが、トランスイリュージョン名義で暗黒回帰。が、2002年のスティントン病死で封印。
ドレクシアの2002年作『Harnessed The Storm』(Tresor)
DJ 3000
URが運営するレコード店/ディストリビューターであるサブマージのレジデントDJとして、未発表トラック満載の反則選曲ミックスCDを2枚リリースした後、2004年には晴れてURのオフィシャルDJとなり、これまたサブマージ・ベスト的な選曲の『True Colors』を大ヒットさせた。すでに〈Movement〉を含む大フェスでのプレイも経験済みな期待の新鋭。自身のレーベル=モーテックからはみずからのルーツを反映させたアルバニアン・デトロイト・テクノをリリースしている。
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