UNDERGROUND RESISTANCE(2)
もう俺たちの時代だ
URは、マッド・マイクことマイケル・アンソニー・バンクスとジェフ・ミルズによって、89年11月2日に設立された。その翌年、(コンピ盤へ提供した曲はあったが)彼らは自身のレーベルより、初となる12インチ・シングルをリリース。まず彼らより発せられたメッセージは、“Your Time Is Up”。女性ヴォーカリストのヨランダをフィーチャ-したこの曲は、ソウルフルなハウス・サウンドだった。新たなる時代の幕明けを予感させるこのタイトルどおり、この後のURは活発にリリースを開始することになる。が、彼らが立て続けにリリースしたのはヴォ-カルを用いたハウス・サウンドではなく、ハード・テクノと呼ばれるアグレッシヴかつ攻撃的なインストのテクノ。『Waveform EP』や『Sonic EP』、そして『Riot EP』や“The Punisher”は、メッセージ性の強いタイトル、そして聴くものをアジテートするサウンドを持つレコードであった。
そして、そのメッセージとサウンドは、URが他のテクノ・アーティストとは違う存在であることを示していた。彼らのメッセージはタイトルだけでなく、プレス工場との連係によりレコードの盤面にまで刻まれた。91年には、2人にロバート・フッドを加えた3人によるプロジェクト=X-101も活動を開始し、そのアルバム『Sonic Destroyer』はドイツのトレゾーよりリリース。92年には先のハード・テクノな曲を収録した、UR名義のシングル集ともいえるファースト・アルバム『Revolution For Change』をリリース。X-101名義ではライヴ・ツアーも敢行し、“The Punisher”はヨーロッパで大ヒットを記録した。翌93年には初の来日ライヴも果たすことになる。ドレクシア、サバーバン・ナイトといったクリエイターたちの作品がURレーベルからリリースされていたことも追記しておこう。
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