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特集

耳で聴いたピープル・トゥリー(2)

JONI MITCHELL『Don Juan's Reckless Daughter』 Asylum(1977)

  かねてからジョニへの憧れを表明していたチャカは今作収録の“Dreamland”で待望の共演を実現。即興めいたコーラスとコンガやカウベルだけで先鋭的な風景を描き出している。なお、今作の邦題は〈ドンファンのじゃじゃ馬娘〉ってことで、後に邦題〈じゃじゃ馬馴らし〉を放つチャカとの相性は良くて当然(?)。(出嶌)

mimi『mimi』 ビクター(2001)

  伝説のファンク・バンド、スリー・チアーズ時代にはルーファスのコピーをしていた日本が誇るR&B姐さんも、そのアフロな髪型からして、もう! 〈宮本典子〉時代には〈和製チャカ・カーン〉との呼び声もあったようで、その後チャカに先んじてラリー・グラハムと共演するなんて、ファンクなお人です。(林)

JANIS JOPLIN『Pearl』 Columbia(1971)

  フィールドこそ違うが、感情ムキ出しでソウルフルに叫び歌う〈じゃじゃ馬〉ぶりはチャカの元祖!? バンド活動→ソロ転向という歩み方もソックリ……と思ったら、この遺作収録の“Half Moon”をチャカはルーファス時代にカヴァーしている。共にボビー・ウォマックの曲を取り上げているという共通点も。(林)

Coco d'Or『Coco d'Or Parfait』 SONIC GROOVE(2004)

  ディジー・ガレスピーの曲にオリジナル詞をつけて歌ったチャカ最大の実験曲が“And The Melody Still Lingers On(Night In Tunisia)”だ。その20数年後、同曲を歌ったのがCoco d'OrことHIRO。彼女にとっても挑戦だが、ここでは可憐かつ果敢な歌唱で好カヴァーに仕上げている。ちなみにバックは福富幸宏。(出嶌)

INDIA. ARIE『Voyage To India.』 Motown(2002)

  チャカも賞賛するというインディアは古き良きソウルの理解者。〈スティーヴィー・ワンダーへの憧れ〉という点でもチャカと結びつくが、本作収録の“Little Things”ではルーファスの“Hollywood”を引用している。来日時のインタヴューでは同曲のプロモ・クリップへの出演をチャカ本人に依頼したと語ってました。(林)

SANDRA ST. VICTOR『Mack Diva Saves The Wolrd』 Warner Bros.(1996)


  ロッキッシュでオルタナなR&Bを志向したファミリー・スタンドは90年代のルーファス……とまで言うと強引だけど、その結成前からチャカ曲のコーラスに参加していたサンドラは疑いなくチャカの後継者だろう。頑固かつ柔軟な姿勢で自己の音楽を貫くディーヴァ……ワーナーとモメるところまで踏襲するとはね。(出嶌)

MILES DAVIS『Doo-Bop』 Warner Bros.(1992)

  レーベル・メイトとなったチャカを『C.K.』でサポートしていたマイルスは、本作を吹き込んで91年に他界。チャカはその翌年の『The Woman I Am』を彼に捧げたが、ビバップの未来をめざしたマイルスの革新性には刺激を受けたはず。そういえば、マイルス名演のひとつ“Round Midnight”も『Classikhan』で披露。(林)

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2005年02月17日 16:00

更新: 2005年02月17日 18:14

ソース: 『bounce』 261号(2004/12/25)

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