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特集

FAMILY【ファミリー】 ブルースという樹木に実った〈家族〉たち

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2005年02月03日 16:00

更新: 2005年02月04日 11:52

ソース: 『bounce』 261号(2004/12/25)

文/桑原 シロー

 まず19世紀後半、ミシシッピ~テキサスあたりにおいてギターの弾き語りスタイルによるブルースが形成されると、1920年代中盤には数多くの録音が行われるようになる。その頃、南部一帯でバンジョーやカズ-を用いてブルースなどをプレイするジャグ・バンドも活性化。そのなかで実力No.1だったのがメンフィス・ジャグ・バンドだ。ボブ・ディランのルーツを探る時に必ず出てくるバンドである。30年代の終わり頃になると、ソフトな白人スウィング・ジャズに拮抗する形で、ブルースやブギの要素を都会的センスで料理した楽団音楽が人気を集め、ジャイヴの王様=キャブ・キャロウェイが人気を博す。同時期にはジャンプ・ブルースが台頭し、ホットな音楽を求めていた黒人大衆から支持された。ジャンプではビッグ・バンド・スタイルが主流だったが、それをコンボ編成でもってプレイしたルイ・ジョーダンは、新感覚のブルースをクリエイト。現在では戦後ブルース、そしてリズム&ブルースの先駆者とされている。40年代から50年代にかけては、黒人音楽が豊かに発展していった時代。音楽スタイルとしてのリズム&ブルースが徐々に形成されていったその頃、一人の天才が登場。レイ・チャールズだ。彼はリズム&ブルースとゴスペルをダイナミックにミックスさせ、進歩的な音楽を作り上げた。そのリズム&ブルースのビートをよりテンポアップさせ、よりアグレッシヴに、より開放的に表現した新たなスタイルがロックンロールであった。チャック・ベリーはその表現方法の可能性を押し広げたオリジネイタ-の一人である。


ルイ・ジョーダン『The Best Of Louis Jordan』(MCA


レイ・チャールズ『What'd I Say』(Atlantic)


チャック・ベリー『The Great Twenty-Eight』(MCA)

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