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日本音楽界が誇る(?)ブルース好きが集結!! その魅力ってなんだ?……な~んてことをゆったりと話していただきました


〈イヤー・オブ・ザ・ブルース〉であった2003年、NYのラジオシティ・ミュージック・ホールで大物ブルース・ミュージシャンらが集う大きな祭典が行われた。その模様を収めた映画「ライトニング・イン・ア・ボトル」が2005年に日本公開される。今回、その公開を記念したライヴに出演される予定の方々――スク-ビードゥーのコヤマシュウ&オカモト“moby”タクヤ、魂のキーボーディスト=TUCKER、大阪発話題のニューカマー、cutman-boocheの金佑龍(通称 : タスク)――に集まってもらい、映画&ブルースについての対談を決行。ざっくばらんとした会話のなかからブルースへのそれぞれの想いがこぼれてくる、そんな現場でした。まずは「ライトニング・イン・ア・ボトル」の感想からお訊きしよう。

「踏み込んでくるんですよね、ブルースって」(moby)
TUCKER「僕は、なんでジョニ-・ウィンターが出てこないのか気になってましたけど(笑)」

タスク「一発目の人(アンジェリーク・キジョー)が印象的でしたね。ブルースじゃない人も出てるけど、ブルース・フィーリングを持ったミュージシャンが集まってるんやろな」

オカモト“moby”タクヤ「アフリカはブルースの源流ですからね。そういえば、作りが『ラスト・ワルツ』っぽいですよね。バック・バンドにリヴォン・ヘルム(ザ・バンドの元ドラマー)がいたのにまず感動しました。途中でマンドリンを持ったりして、そこに(マーティン・)スコセッシ・マナーを感じましたね(笑)」 

タスク「このコンサート、5時間もやったんですか? へぇ。ケブ・モはステージに立ちっぱなしですね(笑)」

TUCKER「映画から〈ブルースは黒人のものなんだよ〉っていうメッセージが強く伝わってきますね。最初はある地域の特定の人たちしかブルースをやってなかったけど、そこから他の国に伝播していっていろいろ混ざり合った結果、〈ブルージー〉っていう概念ができたんだと思うんですよね」

タスク「ジャンルで括られてるところがあるけど、演歌を聴いても〈この人、ブルースやな〉って思うことがあるやないですか? 僕はジャンルに対するこだわりとかがないから。それはココ(と胸を指す)の問題で、持ってるものがブルースって感じられればいいんですよね」      

TUCKER「うんうん。歌詞も〈女にフラれた〉といったものが多いけど、あれってある意味の〈様式〉じゃないですか。そういうものは聴き手もわかってて、暗い歌詞でも楽しめちゃう。次いくぜ!って前向きな部分がちゃんと見えてくるし」

コヤマシュウ「それに、型が決まっているからダイレクトに届く感じがありますよね。落語でもそう。同じお題目でもやる人が違うと、全然違ったものになるじゃないですか。そのぶんその人の人間性が透けて見えちゃうから、他の音楽よりもダイレクトで……」

moby「踏み込んでくるんですよね、ブルースって」

コヤマ「いきなり家にいる感じ。帰ったら勝手にメシ作って食ってるみたいな踏み込み方(笑)。でも、それがイヤじゃない(笑)」

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2005年02月03日 16:00

更新: 2005年02月04日 11:52

ソース: 『bounce』 261号(2004/12/25)

文/桑原 シロー

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