BOUNCIN BACK(その5)(2)
カテゴリ : スペシャル
掲載: 2004年12月27日 11:00
更新: 2004年12月29日 12:28
ソース: 『bounce』 261号(2004/12/25)
文/青木 正之、秋山 尚子、粟野 竜二、池田 謙司、池田 貴洋、池谷 昌之、石田 英稔、石田 靖博、稲村 智行、大石 始、小野田 雄、加賀 龍一、北爪 啓之、鬼頭 隆生、久保 正樹、久保田 泰平、ケチャ、小高 麻子、駒井 憲嗣、佐々木 俊広、佐藤 ともえ、高橋 荒太郎、高橋 玲子、武山 英丈、立野 幸恵、出嶌 孝次、冨田 明宏、富山 陽一、西尾 大作、ビグフォン、堀内 幸江、Masso187um、ヤマダ ナオヒロ、山西 絵美
ISIS 『Panopticon』 Ipecac
ボストン・ハードコア・シーンの首領、アーロン・ターナー率いるアイシスの3作目。圧倒的なスケールで聴き手に迫る、孤高のアンビエント・ヘヴィー・ロック。生誕から四半世紀を経て、ハードコアは宇宙と一つになった。(粟野)
JILL SCOTT 『Beautifully Human : Words And Sounds Vol.2』 Hidden Beach/Epic
〈ネオ・ソウル〉や〈フィリー〉といったタームがますます普遍的になっていくなか、ジル・スコットに2枚目の傑作が誕生。“Golden”で魅せたスカッと突き抜けるような前向きな歌いっぷりが、このシーンの今後を示しているような気も。(池谷)
KAKI KING 『Legs To Make Us Longer』 Epic
ボディーをパーカションの代わりにするなど、エレクトリック・アコースティック・ギターの潜在能力をネクスト・レヴェルにまで高めたNYの才女。速弾きが促す高揚感や独特なギターの鳴りなど、このアルバムにはスピリチュアルなムードが溢れている。(武山)
KEMURI 『CIRCLES』 ユニバーサルJ
メンバーの死という、外部からは到底察することのできないほどの悲しみを乗り越え、改めて自分たちの足下、音楽を見つめ直し制作された作品。ポジティヴなサウンドの裏側には切なさがある。それでも前進するバンドの力に敬服する。(土屋)
LADY SAW 『Strip Tease』 VP
女性アーティストが大活躍した2004年のレゲエ・シーンでしたが、女王レディ・ソウも実に6年ぶりとなるニュー・アルバムをリリースし、その貫禄を如何なく示してくれました。力強い女王節はもちろん健在で、怖じ気づくほど激しくブーティー!(山西)
LYFE JENNINGS 『Lyfe 268-192』 Columbia
オハイオ出身の自作自演アーティスト、ライフ・ジェニングスのデビュー作。みずからの人生を語る詩人的な部分と、じわじわと、時に熱く噴出するソウルをたっぷり聴かせる塩辛ヴォイスが味わい深い曲群。すでに燻し銀の風格を漂わせている。(佐藤)
MOBB DEEP 『Amerika'z Nightmare』 Infamous/Jive
『Infamous』に強い思い入れのある人なら、モブ・ディープがカニエ・ウェストやリル・ジョンといっしょにやることを複雑に思っているのでは? でも、これが時代の流れ。聴き手の偏見さえ障害にならなければ、相性の良さを素直に受け入れられるはず。(高橋荒)
奥田民生 『LION』 ソニー
ソロ・デビュー10周年を迎えて、いつになく精力的に動いたOT。ロックのツボを心得た大ヴェテランの気迫を、マイペースにお送りする名曲集。楽曲の充実に加えて演奏の旨味が凝縮された、まさにバンドマン冥利に尽きる一枚に。(鬼頭)
PITBULL 『M.I.A.M.I.』 TVT
新人王最右翼の若き獰猛なラッパーを2004年のMVP=リル・ジョンがハード・クランクで強力アシスト。ウービー参加曲ではメロウ~スムース系を、またヒット曲“Culo”では人気リディム〈Coolie Dance〉を使ったり、実は引き出しも結構多し。(Masso)
R.E.M. 『Around The Sun』 Warner Bros.
オルタナ以降のアメリカン・ロックの中核的存在であるのに、決して自然体を崩さないのはお見事! いつにも増してポリティカルな本作でも、サウンドはあくまでメランコリック。甘美な毒気でUSの現在を抉っている。(北爪)
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