BOUNCIN BACK(その3)(2)
ASPARAGUS 『KAPPA I』 STACKERS/3P3B
疾走感もあれば、静かな曲も聴かせられる文句なしの楽曲が詰まったアルバムを、別々のレーベルから2枚同時にリリース。渡邊忍の爆発するセンスが、評価の高かったバンドの次のバンド、という穿った見方を完全に払拭した。(土屋)
m-flo 『ASTROMANTIC』 rhythm zone
毎回〈メンバー〉を変えてのシングルをいずれも大当たりさせてのサード・アルバム。BoAやDOUBLE、教授らの豪華ゲストを過積載し、冒険や遊びをウリの要素と共存させた作りにはやりすぎ感もあるけど、ここまでやりすぎればOK! 恒例のリミックス・アルバムもOK!(出嶌)
ROBI DRACO ROSA 『Mad Love』 Columbia
メヌード時代の元同僚、リッキー・マーティンのヒット曲を数多く手掛けたコンポーザーとして知られる才人もこのソロ作で本格始動。リッキー曲での明るい世界観とはガラリと変わった、狂気とエロスが渾然一体となったカオティックな一枚だ。(佐々木)
BAGDAD CAFE THE 『trench town UPRIGHT AND SMILY』 M.O.P.
2004年、彼らほどビーチが似合うビッグバンドはいなかった。スウィートなラヴァーズも重みのあるダブワイズもこなすアンサンブルが、抱擁感に溢れた歌の説得力を支えて、レゲエへの飾らぬ愛情が結果的に広くレゲエの魅力を伝えてくれた。(駒井)
MARIO WINANS 『Hurt No More』 Bad Boy/Universal
エンヤ曲をネタ使いした切なすぎる哀愁歌“I Don't Wanna Know”が特大ヒットを記録。バッド・ボーイを影で支えてきた裏番長の2作目は、男泣きの美学を繊細なメロディーで綴ったやるせない美作。最近はデスチャ曲を手掛けるなど外部注文も再急増中。(池田貴)
RYUKYUDISKO 『LIQUID DISK』 platik
突如彗星のごとく現れた双子兄弟テクノ・ユニットのデビュー・ミニ・アルバム。沖縄版テクネイジアとでもいうべきウチナー・フレイヴァーが満載。〈WIRE04〉でもヴェテラン顔負けの堂々としたライヴを披露した。2005年はさらなる飛躍の年?(ケチャ)
BRANDY 『Afrodisiac』 Atlantic
さまざまな人生の転機を経て、いまは幸せいっぱいなブランディの4作目。ティンバランドと念願の合体を果たした今回は、単に革新的なだけでなく、内なる感情を大切に歌い込んだ入魂の出来に。カニエ・ウェスト製の名品“Talk About Our Love”は、いつ聴いても素晴らしい!(池田貴)
MUTINY 『Yada Yada』 Underwater
10年前の設立時には大して話題にも上らなかったのに……2003年のティム・デラックスに続き、ダレン・エマーソンが主宰するアンダーウォーターからまたも必殺の一枚! 大沢伸一もイチ押しのレーベルだけあってシンプルながらもアガるトラック多し!(ビグ)
TWO LONE SWORDSMEN 『From The Double Gone Chapel』 Warp
UKのクラブ翁、アンドリュー・ウェザオールが自身のルーツ探訪の結果行き着いた今作。キース・テニスウッドがギターとベースを弾き、アンディ本人が歌う。ロックンロールからクラブまで一直線に捉えられるのはヤツしかいない。(池田謙)
THE ETERNALS 『Rawar Style』 Aesthetics
トータスやアイソトープ217の作品へ参加するなど、シカゴ音響人脈との活動が活発な彼らは、民族音楽やダブの手法、サンプリングを駆使した独創的なサウンドで2004年のUSインディー・シーンを代表する一枚を残す。コレにはシビレたね!(冨田)
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カテゴリ : スペシャル
掲載: 2004年12月27日 11:00
更新: 2004年12月29日 12:28
ソース: 『bounce』 261号(2004/12/25)
文/青木 正之、秋山 尚子、粟野 竜二、池田 謙司、池田 貴洋、池谷 昌之、石田 英稔、石田 靖博、稲村 智行、大石 始、小野田 雄、加賀 龍一、北爪 啓之、鬼頭 隆生、久保 正樹、久保田 泰平、ケチャ、小高 麻子、駒井 憲嗣、佐々木 俊広、佐藤 ともえ、高橋 荒太郎、高橋 玲子、武山 英丈、立野 幸恵、出嶌 孝次、冨田 明宏、富山 陽一、西尾 大作、ビグフォン、堀内 幸江、Masso187um、ヤマダ ナオヒロ、山西 絵美