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特集

耳で聴いたピープル・トゥリー

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2004年12月24日 17:00

更新: 2004年12月24日 18:10

ソース: 『bounce』 260号(2004/11/25)

文/久保田 泰平、冨田 明宏、村尾 泰郎

ブルース・スプリンスティーンをめぐる音楽の果実は、ここに一本のトゥリーを生んだ


DAVE MATTHEWS BAND
『The Central Park Concert』
RCA/2003
デビュー時、〈ボブ・ディランの再来〉と呼ばれたスプリングスティーン。そのディランとスプリングスティーンの血統を継ぐ者として、もっとも適っている国民的アーティストといえばデイヴ・マシューズと言って異論はないでしょう。シカゴ川に排泄物を垂れ流すという、〈モラルなき暴走〉もしてしまいましたが……。(久保田)

PATTI SMITH GROUP
『Easter』
Arista/1978
彼女はよく〈NYパンクの女王〉と呼ばれるが、彼女の生い立ちから考えれば〈NYパンクの鬼子母神〉と呼んだほうが的を射てやしないかな? それはさておき、ワキ毛ジャケでお馴染みの代表作『Easter』に収録された、唯一のシングル・ヒット曲“Because The Night”って、実はボスとの共作なんですよ! 知ってた?(冨田)

MANIC STREET PREACHERS
『Lifeblood』
Epic/2004
ロックンロールをあまりに真っ正面から受け止めるがゆえに、つねに孤高の道を行くマニック・ストリート・プリーチャーズ。以前、このアルバムについて「『Nebraska』のようなアルバムになるかもしれない」と語っていた彼らは、ボスの背中を見つめながら、ずっと〈サンダー・ロード〉を走ってきたのかもしれない。(村尾)

長渕 剛
『長渕 剛~ALL NIGHT LIVE IN 桜島 2004.8.21』
フォーライフ/2004
大統領選挙ではケリー候補の応援にまわったスプリングスティーン。“静かなるアフガン”ではブッシュ批判を歌った剛。ツアーやるときもお互いハデ。そして家族想い。ボスとアニキ、(たぶん)気の合う彼らがタッグを組んで〈俺の祖国、近ごろふざけちゃいねえか!〉なんて吠えたりしたら、こりゃ手強い。(久保田)

MICHAEL MOORE
『華氏911』
ジェネオン/2004
ディクシー・チックスの反ブッシュ発言に対するバッシングに、力強く異議を唱えたボス。だからこそ、映画「華氏911」のイメージ・アルバムへの曲提供は、アメリカの自由に対するボスなりの意志表示だった。権力者たちがどんな策を講じようと、心あるファンには誰が本当の〈ボス〉なのかが、よくわかってるはず。(村尾)

BADLY DRAWN BOY
『One Plus One Is One』
Twisted Nerve/XL/2004
バッドリー・ドローン・ボーイことデーモン・ゴッホのロックンロール筆おろしはボス。以来、ミュージシャンとして、詩人として、ボスを崇拝するデーモンは、いつ観に来てくれてもいいように、自分のライヴのゲスト・リストには〈ブルース・スプリングスティーン〉の名を入れ続けているとか。行ってあげて、ボス!(村尾)


佐野元春
『BACK TO THE STREET』
エピック/1980
“Born To Run”がニュージャージーの〈非公式な若人のロック州歌〉に認定されたころ、スプリングスティーンばりに世代を担うニュー・タイプのロックンローラーが日本にも誕生した。昨今では政治的な発言もぼちぼち見受けられるなど、〈社会派〉な一面をも覗かせるところはボスの生き様にも似て。(久保田)


THE 2 LIVE CREW
『Banned In The U.S.A.』
Luke/Lil' Joe/1990
淫猥なリリックとおバカなスタイルで世界中を席巻した彼らが、不当逮捕されたことをきっかけに作ったのがこの“Banned In The U.S.A.”。そう、“Born In The U.S.A.”をサンプリング! さすがのボスもおかんむりだろうと思いきや、なんとボス公認(笑)。どこまで寛大なのさ! 内容もじつはシリアス。傑作です!(冨田)


LOU REED
『Street Hassle』
RCA/1978
いまでもルーのライヴでは欠かさずプレイされる……けど組曲になっていて10分を超える長尺曲としても有名な“Street Hussle”にボスが参加! ボスが自身の曲“Born To Run”にかけて〈Born To Pay〉とポエトリー・リーディングするスリリングな内容。お互いの才能を認め合っていたからこそのコラボってわけです。(冨田)

JIMMY CLIFF
『The Best Of Jimmy Cliff』
Hip-O/Island/A&M
ボブ・ディランやポール・シムノンなど、多くのミュージシャンたちからリスペクトされ続けている〈グランパ・オブ・レゲエ〉=ジミー・クリフ。いまでは入手困難になってしまった“Trapped”という名曲を、ボスは敬愛の念を込めてライヴでカヴァーしています。当曲は未収録ながらも、ジミー入門用にこのベスト盤を!(冨田)

SION
『SION』
テイチク/1986
一般的なブレイク作となった泉谷しげる“春夏秋冬”のカヴァーでは、泉谷以上にスプリングスティーンばりの吠えっぷり、しゃがれっぷりを聴かせて、世間の耳をグッと惹きつけたSION。ド派手なスタジアム・ツアーこそやらないが、音楽に込められた意志には、ボスに通じる誠実さ、一途さが感じ取れる。(久保田)

COLDPLAY
『A Rush Of Blood To The Head』
Parlophone/2002
イギリス出身ながらアメリカでも成功を収め、セレブである女優グィネス・パルトロウをも手中に収めたクリス・マーティン率いるコールドプレイ。ボスの名曲“Streets Of Philadelphia”を、彼らはフィラデルフィアのショウでカヴァー! さり気なくご当地ネタを挟むサーヴィス精神がアメリカでもウケてる秘訣か?(冨田)

MARY LOU LORD
『Live City Sounds』
Rubric/2001
大学をドロップアウトして以来、ギターを片手に路上演奏を続けてきたメアリー。彼女のヒーローたちのナンバーをカヴァーしたこのライヴ・アルバムでは、ビッグ・スターやダニエル・ジョンストンらのナンバーと共に、ボスの〈涙のサンダー・ロード〉を披露。偉大な先輩への淡い想いを告白したのでした。(村尾)

JIM O'ROURKE
『Insignificance』
Drag City/2001
実験音楽からスタートし、アルバム・リリースを追うごとにロックに目覚めていったジム・オルークは、いまではソニック・ユースの正式メンバー。そんなジムのロック魂が開花した本作では、気持ち良さそうにギターを弾く様子が微笑ましい。そんなわけで、彼のカラオケのレパートリーには〈明日なき暴走〉があるんです。(村尾)

尾崎 豊
『回帰線』
ソニー/1985
青春の叫びを歌に込め、尋常ならぬテンションで〈明日なき暴走〉を続けたガラスのロック・ヒーロー、尾崎豊。18歳でデビュー、スプリングスティーンよろしく、若者たちに熱く支持される存在となった彼だったが、伝説になるのが早すぎた……。存命であったなら、いま、彼はなにを叫んでいたのだろうか。(久保田)

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