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カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2004年12月16日 16:00

更新: 2004年12月16日 17:45

ソース: 『bounce』 260号(2004/11/25)

文/Masso 187um

イグジビットこそが究極の破壊兵器だ!


 年末恒例のリリース・ラッシュ時期に堂々参戦する恐れ知らずな男、〈Mr. X To The Z〉ことイグジビットが2年半ぶりとなるニュー・アルバム『Weapons Of Mass Destruction』を完成させた。タイトルからしてシリアスでハードコアな雰囲気を醸し出していて、さらに進化した様子が窺えるが、そのタイトルで示されているのは、むろんアノ出来事&旬なアノ人だ。

「これは〈大量破壊兵器〉っていう意味で、まさにいまの世の中で起こってる出来事そのものさ。ブッシュの介入やイラク戦争のことなど、いま世界で起こっていることに対して俺たちももっとシリアスに考えるべきだし、周囲にこれらの出来事を知らしめるのも必要だと思うんだ。アルバムのテーマもいまの社会への問題提起が中心で、戦争そのもののことだけじゃなくて、厳しい現実や俺たちを取り巻くいろんな問題について取り上げているんだ」。

 これまでになくリリックではシリアスな面を見(聴か)せているが、今作はサウンド面でもグッとヴァージョン・アップ。ここ何作かでの、ドクター・ドレーの完全サポートを得た制作体制ではなく、イグジビット自身がエグゼクティヴ・プロデューサーとしてアルバム全編の指揮を執っている。

「オレはこれまでもずっとアルバム制作をやってきて、いろんなプロデューサーから多くのことを吸収してきた。それで今回はオレ自身がエグゼクティヴ・プロデューサーとしてトラックの選択だとかを担当したんだ。いまホットだからとか、名前があるからといった理由は一切省いて、自分の耳で聴いて〈カッコいいトラックを作る奴〉という条件のみで選んだのさ。だから音楽的にもかなりクォリティーが高いし、全体としてもまとまりがある一方でヴァラエティーにも富んでると思うぜ」。

 その発言を裏付けるように、当初プロデューサーとしてラインナップされていたあのドレーの楽曲さえも、完成したはずなのにアルバムからは外されてしまっているし、プロモ・コピーが流出したパスター・トロイとのジョイント“Ride 'N Smoke”も選から漏れている。これらの事実からもイグジビットの本作に掛けるマジ具合が窺い知れると思うが、その難関を突破して収録された楽曲群だけに高水準な内容も保証済みだ。すでに先行カットされているリック・ロックの手掛けたメタリックな質感の近未来型バウンス・ファンク“Muthafucka”、タイプが異なるティンバランド作のラフ&ロウなクラッピン・バウンス“Hey Now(Mean Muggin)”は両曲とも、これまでイグジビットがリリースしたクラシックスにも劣らぬ圧倒的な煌めきを放っている。そしてそうなると気になるのが、その他の選び抜かれたレパートリーについて、だ。

「バスタ・ライムズとのジョイントになる“Tough Guy”はハイ・テックのプロデュース。アルバムのなかでもかなり気に入ってる“Saturday Night Live”はジェリー・ロールが手掛けてるんだけど、彼とはヴァイブが合っちゃって、他にも何曲かやってもらったんだ。あと、“Crazy Ho”ではオレのクルー、ストロング・アーム・ステディの連中が参加してるよ」。

 そのジェリー・ロール作の“Cold World”ではタイトルどおりクールな質感を漂わせ、アルバムの方向性を凝縮したようなシリアスなラップを聴かせているし、さらには“Get Your Walk On”でのケミストリーふたたび!と思わせるバトルキャット、D12からデナウン・ポーター、御大サー・ジンクスら気心の知れた連中がエントリー。ストロング・アーム・ステディ・クルーには欠かせないビートメイカー、カリールも参加している。最後に、ここ数年は毎年のように来日している日本贔屓なイグジビットに、日本の印象を訊いてみよう。

「日本のファンは大好きだよ。ファンの子たちからは、ヒップホップをリスペクトしている様子がひしひしと伝わってきて心が温まるね。ただ食べ物はちょっと苦手だな。トライしてみたけど、やっぱり俺は食べ慣れたシンプルな食べ物が合ってるよ。アメリカン・スタイルの卵とポテトっていうベーシックなモノがイチバンさ(笑)」。

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