ネプチューンズが目を付けたヒューストンの俊英――SLIM THUG
ローカルからのブレイク組が相変わらず多かった2004年ではあるが、それまで地元完結型でメジャー志向が低いと思われていたヒューストンからリル・フリップが全国区に名乗りを上げたのはビッグ・ニュースだった。そして、それに続きそうなヒューストンの新星が、ネプチューンズ率いるスター・トラックからシングル“Like A Boss”で登場してきたスリム・サグだ(関係ないけどスター・トラックにいたロスコーP・コールドチェインやスーパーキャットはどうなった!?)。
もちろん昨今の常として、新星とはいえスリム・サグも十分にキャリアのあるラッパーだ。90年代後半頃から地元のスウィシャ・ハウスやペイド・イン・フルといったレーベルの作品にたびたび登場し、ソロ名義作こそないものの、これまでにESGやリル・キキ、ボーイズン・ブルーらとの共同名義でアルバムもリリース済み。少しウェッサイっぽいニュアンスを湛えたユルさと泥臭さを併せ持つそのラップは、今回のメジャー侵攻を契機にして一気に全米を席巻することになりそうだ。
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