こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

特集

進化を見せつけるスヌープ・ドッグ

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2004年12月09日 12:00

更新: 2004年12月09日 17:23

ソース: 『bounce』 260号(2004/11/25)

文/大前 至

WESTCOASTIN'


 シングル“Beautiful”の成功によって前作『Paid Tha Cost To Be Da Boss』がプラチナ・ディスクに達するほどのヒットとなり、新境地を開拓した感のあるスヌープ・ドッグ。ネプチューンズのレーベル、スター・トラックとスヌープ自身のドギースタイルとのジョイントという形でリリースされた2年ぶりの新作『R&G(Rhythm & Gangsta): The Masterpiece』は、その“Beautiful”の方向性をさらに強め、スヌープいわく「俺独自のジャンル」だというR&G(リズム&ギャングスタ)の世界が広がっている。

「彼ら(ネプチューンズ)はこのゲームでまさにトップのプロデューサーだ。どんなアーティストとも、どんなジャンルの音楽の仕事だってできる。常にオリジナルそのものだね」。

 スヌープは今回ふたたびネプチューンズと組んだ直接のきっかけが〈“Beautiful”での成功〉ではなく、純粋に彼らをプロデューサーとして評価しての結果だと強調している。そして、生まれたのが現在USのクラブ/ラジオを揺らしまくっている先行シングル“Drop It Like It's Hot”だ。

「良い曲だとは思ったけど、シングルになるとはぜんぜん思わなかったね。ただ、スタジオで皆がこの曲のことを騒いでいて、その結果、いまこの曲はビッグになったというわけさ」。

 クラブ・バウンサーである“Drop It Like It's Hot”に対して、同じくネプチューンズの手掛けたセカンド・シングル候補“Let's Get Blow”や、ジャスティン・ティンバーレイクが参加した“Sign”、さらには別名〈Beautiful Pt.2〉とも呼ばれる“Perferct”では、まさにディスコ・クラシック・サウンドそのもののフレイヴァーが充満されており、スヌープとネプチューンズのコンビネーションがまた新たな華を咲かせている。

「俺は70年代に育った子供で、70~80年代のああいう音楽をいつも聴いて育ったわけだから、あたりまえに多大な影響を受けている。そしてたまたまネプチューンズも俺と同じ気持ちを抱いていたんだ」。

 アルバムの核となる作品を手掛けているネプチューンズであるが、実は彼らのプロデュース作はアルバム全体の三分の一にも満たない。そして、今回新たに組んだプロデューサーのひとりが、いままさにヒップホップ界の時の人とも言えるリル・ジョンだ。

「あの曲(“Step Yo Game Up”)はシットだよ! 凄く好きだね。ある日、彼が家に来てこのトラックをプレイして、すぐにでもそこに自分のラップを乗せたいと思った。そして、マイアミにいるトリーナに送って、彼女も参加が決まって、すぐに出来上がりというプロセスだったんだ」。

 さまざまなプロデューサーやゲスト勢がスヌープに新たな風をもたらすと同時に、スヌープ自身も新たな表現方法を模索している。なかでも注目はスヌープがラップではなく歌に挑戦している“No Thang On Me”だ。

「俺の曲はいつも自分のハートから出てきたものなんだ。その時その時に自分が感じたものを出していく。いままでは自分の感情を再現したものがラップという形で表現されることがほとんどだったけど、この曲ではカーティス・メイフィールドのように歌うことで感情が再現されたということさ」。

 今回の作品はアルバム・トータルでの仕上がりは間違いなく前作以上であり、ファースト・アルバム『Doggystyle』と並ぶスヌープの代表作になる予感さえある。

「とてもエキサイティングなアルバムだと思うし、これがスヌープ・ドッグとしての〈Sign Of The Times〉(=時勢の反映)だと思っているよ」。

インタビュー