こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

特集

ESSENTIALS――70年代のモータウン(2)

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2004年12月02日 13:00

更新: 2004年12月02日 16:57

ソース: 『bounce』 260号(2004/11/25)

文/JAM、出嶌 孝次、林 剛

STEVIE WONDER 『Where I'm Coming From』 Tamla(1971)


  いわゆる〈3部作〉とかはもう定盤なので、ここでは彼が神懸かる直前の、ギリギリまだモータウンらしさを残した作品を紹介。“Superstition”の原型っぽい“Do Yourself A Favor”、箱庭組曲の趣もある“If You Really Love Me”などの実験ポップから、ヨーロピアンなメロディーの普遍的なバラッドまで、シリータと全曲を共作したセルフ・プロデュース作。どの時代もスティーヴィーはワンダーだ!(出嶌)

JACKSON 5 『Skywriter』 Motown(1973)

  説明不要な兄弟たちの目立たない一枚だが、さすがにどの曲でもマイケルの解釈は圧倒的。グルーヴィーなワクワク感をやたら掻き立てる爽快なアップ“Skywriter”、ドラマティックなメロの展開に圧倒される“Corner Of The Sky”、イントロがオザケンの某曲に引用されたキッズ味の“Hallelujah Day”、目眩を誘うハル・デイヴィス作の美スロウ“Touch”……と、彼らこそベスト盤で聴いてるだけじゃもったいないと思う。(出嶌)

LEON WARE 『Musical Massage』 Motown(1976)

  UA時代に続くソロ2作目。リオンが制作に深く関与したマーヴィン・ゲイの『I Want You』の御褒美としてこのアルバムがリリースされたというのも、いまとなっては有名な話。他に例を見ない彼ならではのムード・メイキングが全編にわたって満喫できる名盤で、楽曲のタイプを選ぶことなく聴く側の内面にやんわりと忍び込んでくるコンポージングはまさに芸当としか言いようがない。(JAM)

THE UNDISPUTED TRUTH 『Face To Face With The Truth』 Gordy(1971)

  テンプテーションズと同時期にノーマン・ホイットフィールドのサイケ曲を歌って登場した男女混成グループ。“Smiling Faces Sometimes”のヒットを経てリリースした今作はゴーディからの2作目で、同じくノーマン制作のサイケでアーシーなファンクを展開。グラディス・ナイト&ザ・ピップス“Friendship Train”やマーヴィン・ゲイ“What's Going On”の長尺カヴァーも劇的だ。(林)

RARE EARTH 『Ma』 Rare Earth(1973)

  61年にデトロイトで結成されたサンライナーズを前身とする手練のロック・バンド。67年にモータウンと契約し、同名の新レーベル第1弾として華々しく登場した。今作は6枚目のアルバムで、得意の長尺ナンバー(17分長!)で冒頭からドロドロ。“Smiling Faces Sometimes”のカヴァーなど、プロデュースにあたったノーマン・ホイットフィールドのドス黒サイケ趣味が落とし込まれているが、仄かなAORの薫りも魅力的だ。(出嶌)

VALERIE SIMPSON 『The Collection』 Spectrum 

  後に旦那となるニコラス・アシュフォードとのコンビで数多くのヒット曲を書いてきたヴァレリー・シンプソン。彼女は夫婦デュオとして活動する前、タミー・テレルの代役としてマーヴィン・ゲイと共演し、モータウン傘下のタムラでソロ作も吹き込んでいた。ソロ・ヒットは“Silly Wasn't I”ぐらいだが、どの曲もピアニストらしい小粋なメロディーと知的フェロモン漂う歌に聴き惚れてしまう。(林)

G.C. CAMERON 『Love Songs & Other Tragedies』 Motown/ユニバーサル(1974)

  モータウン時代のスピナーズでリードを務めていたGC(現テンプテーションズ)が、同じモータウンからリリースしたソロ・デビュー作。盟友スティーヴィー・ワンダーやウィリー・ハッチらが制作にあたり、60年代モータウン的なノーザン感覚に洗練を加えたバックのサウンドを受けて、GCはじっくりとソウルフルに歌い込んでいく。マッスル・ショールズ録音の曲も聴かせる。(林)

インタビュー