こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

特集

ODYSSEY 『Odyssey』 Mowest/ユニバーサル(1972)

  オデッセイといってもRCAの3人組ではなく、こちらはLAに移転したモータウンの新設レーベル=モーウェストから登場した白人・黒人の男女混成バンド。幸福感を湛えたフォーキー&ファンキーなポップ~ソウル曲をやっている人たちで、ジャンル横断的な自由っぽさが特徴だ。ジーン・ペイジがアレンジした“Battened Ships”など好曲多し。デヴィッドT・ウォーカーの悩ましいギターも聴ける。(林)

WILLIE HUTCH 『Foxy Brown』 Motown/ユニバーサル(1974)

  ジャクソン5“I'll Be There”などでソングライターとして名を上げたウィリー・ハッチはLA時代のモータウンに欠かせない逸材。今作はパム・グリア主演映画のサントラで、カーティス・メイフィールド『Super Fly』の展開に似てるけど興奮度は高い。ギター主体の小気味良いファンキー曲からストリングス多用のミッドまで映像的な音作りの巧さはさすが。ちなみに彼の甥はあのコールド187um。(出嶌)

HEARTS OF STONE 『Stop The World』 V.I.P./CELESTE(1970)

  ヒット曲は皆無ながら、デトロイト・ソウルの粋を込めた“If I Could Give You The World”がカルト的な人気を誇っている男性カルテット。これはV.I.P.発となる唯一のアルバムで、プロデュースをヘンリー・コスビーが担当している。サイケデリック調からスウィート路線のナンバーまで当時のモータウンのイイトコ取りといった感じで、数曲あるポップ/ソウル曲のカヴァーも健闘している。(林)

EDDIE KENDRICKS 『The Ultimate Collection』 Motown 

  テンプテーションズの看板リードとして、甘いファルセットで売ったエディ・ケンドリックス(92年に他界)。71年のソロ転向後もモータウン(傘下のタムラ)に籍を置き、“Keep On Truckin'”などのヒットを飛ばし、フィリー録音にも挑戦したりと精力的に活動。いまならディアンジェロが歌った“Girl You Need A Change Of Mind”やギャリー・グレン作のネタ定番曲“Intimate Friends”が人気だろう。(林)

SMOKEY ROBINSON 『A Quiet Storm』 Tamla(1975)

  ソロでのサード・アルバム。ミラクルズから独立した直後は溢れるアイデアを持て余し気味だったスモーキーだが、このアルバムでの彼はしっかりと音楽観を整理し、ソロ・アーティストとしての方向性を見定めた感がある。作品集としてのまとまり具合も彼の全アルバム中、屈指。自画像をここまで巧みに描ける自作自演派という意味では、スティーヴィーに伯仲するか。(JAM)

THE SPINNERS 『2nd Time Around』 V.I.P./ユニバーサル(1970)

  フィリー・ソウルのヴォーカル・グループとしても知られるスピナーズだが、もとはデトロイトの人たち。これはフィリーを詣でる前、モータウン傘下のV.I.P.からリリースしたアルバム(通算2作目)で、リードを務めるのは後にソロ転向するGC・キャメロン。スティーヴィー・ワンダーが制作し、モニー・ラヴのラップ版などを生んだ“It's A Shame”などグルーヴィーなソウル曲が満載だ。(林)

EDWIN STARR 『Hell Up In Harlem』 Motown(1974)

  反戦歌“War”のヒットで知られるエドウィン・スター。ド迫力の熱唱でストリートの場景を歌うなどしてきた彼らしく、当時のブラックスプロイテーション・ブームには素早く反応。本作は映画「ハーレム街の首領」のサントラで、制作にはフレディ・ペレンとフォンス・ミゼルがあたり、西海岸の腕利きがバックを支えている。レア・グルーヴ的にも評価が高く、特に“Easin' In”が人気だ。(林)

COMMODORES 『Hot On The Tracks』 Motown(1976)

  コモドアーズ初期のアルバムの中で、彼らの多角的な音楽性をもっとも楽しめるのがこのアルバム。ファンク・バンドの可能性を押し広げるべく、コモドアーズ・カラーに染め上げたバラッドを意図的に作りはじめたのもこのアルバムからで、彼らの代表的スロウ・ジャム“Just Be Close To You”はここに収録されている。ライオネル・リッチーの存在にスポットが集まりはじめたのもここからである。(JAM)

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2004年12月02日 13:00

更新: 2004年12月02日 16:57

ソース: 『bounce』 260号(2004/11/25)

文/JAM、出嶌 孝次、林 剛

インタビュー