「永遠のモータウン」が早くもDVDで登場!
ポール・ジャストマン監督による2002年公開作「永遠のモータウン」のDVDがリリースされた。本文で触れたシステムの底辺、つまりレコーディング・ミュージシャンにスポットを当てたドキュメンタリー&ライヴ映像作品だから、原題の「Standing In The Shadow Of Motown」に比べれば呑気な邦題だが……ともかく、ここで主役となるのがファンク・ブラザーズだ。グループというより、モータウンのスタジオで演奏していた面々の総称である。その中心人物はレコードもリリースしている鍵盤奏者のアール・ヴァン・ダイクで、他にはジェイムス・ジェマーソン(ベース)、ベニー・ベンジャミン(ドラムス)、ジョー・メッシーナ(ギター)……と数多くの演奏者たちが束ねられていた。本人たちはジャズやラテンなどさまざまな音楽を好み、またそれを形に採り入れるだけの技量と遊び心があった。
ともすれば、不当な扱いでマシーンのように演奏させられ続けた不幸な裏方のように捉えてしまいがちだが、そうじゃないはずだ。システム化=無機質な悪だという思い込みも結構だが、彼らの演奏は、定められたフォーマットのなかでいかに独創的な音を生み出すかに命をかけた腕利きたちの記録だったのだと思う。全音楽ファンが観賞すべき!
同映画のサントラ『Standing In The Shadow Of Motown』(Motown)
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