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特集

ESSENTIALS――60年代のモータウン(2)

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2004年12月02日 13:00

更新: 2004年12月02日 16:57

ソース: 『bounce』 260号(2004/11/25)

文/JAM、出嶌 孝次、林 剛

MARVIN GAYE 『Stubborn Kind Of Fellow』 Tamla(1963)

  モータウンを代表する男性スター、マーヴィン・ゲイ。トータス松本のカヴァーがTVCMに使われていた表題曲を含む本作は、アルバムとしては2枚目にあたるが、〈ソウルなマーヴィン〉はここから出発した。“Pride And Joy”やヴァンデラスのコーラスが鮮やかな“Hitch Hike”など、フレッシュなノーザン・ビートに乗せて若き日のマーヴィンが飾り気のない歌声で突き進んでいく、文字どおりの快作。(林)

MARVIN GAYE & TAMMI TERRELL 『The Complete Duets』 Motown 

  〈本当に恋をしているような~〉とも評された史上最高のカップリングによるデュエット・アルバム3枚+αを網羅した2枚組。愛と誠気分の“Ain't No Mountain High Enough”、メソッド・マン&メアリーJ・ブライジの引用も有名な“You're All I Need To Get By”、ディアンジェロ&エリカ・バドゥなど多くのカップルが挑んだ“My Precious Love”……さらにはタミーのソロ音源も聴ける、定番にしてお宝。(出嶌)

MARY WELLS 『The Ultimate Collection』 Motown 

  60年代半ばに大ピークを迎えるまでのモータウンを支えたアーティストといえば、真っ先に名前が挙がりそうな彼女。ややジャズ寄りでパンチのある唱法、独特の親しみやすい魅力でレーベル初期を代表する歌姫として君臨した。“My Guy”でチャートのトップを奪取した64年にモータウンを離脱。なお、スヌープ・ドッグでプロデューサーとして活躍するミーチ・ウェルズは彼女の息子だ。(出嶌)

THE ORIGINALS 『The Very Best Of The Originals』 Motown 

  60年代後期、モータウンの傍系であるソウルから登場した男性カルテット。フレディ・ゴーマンらメンバー各人がリードを奪い合い、豪快にしてスウィートなヴォーカルを聴かせる連中だ。シェリックやアフター7の名唱でも知られる“Baby, I'm For Real”やローラ・ニーロが歌った“The Bells”といったマーヴィン・ゲイ制作曲をはじめ、タイ・ハンターが加入した70年代中期の曲も秀逸。(林)

SMOKEY ROBINSON & THE MIRACLES 『Going To A Go-Go』 Tamla(1965)

  スモーキー・ロビンソンが率いるミラクルズ最大のヒット作。“The Tracks Of My Tears”“My Girl Has Gone”などミラクルズの十八番的なラヴ・バラードをはじめ、スモーキーの甘く切ないファルセットが聴き手の胸を掻きむしる。特にザップのカヴァーなどで知られる甘茶曲“Ooo Baby Baby”はモータウン屈指のナンバー。主役を盛り立てる実直なコーラスも聴き逃せない。(林)

THE TEMPTATIONS 『Gettin' Ready』 Gordy(1966)

  出すアルバムがほとんどNo.1に輝いていた60年代のテンプテーションズ。これもそんな時期の作品で、デヴィッド・ラフィンがリードを取った“Ain't Too Proud To Beg”やエディ・ケンドリックスのリードによる“Get Ready”の大ヒット曲を含む。硬質なビートに乗せて華麗にハモる5人がカッコいい。シングルB面曲でもあった“Fading Away”はホール&オーツの最新作でカヴァーされていた。(林)

THE VELVELETTES 『The Best Of』 Tamla/Spectrum 

  モータウンの傍系であるV.I.P.から登場した姉妹・従姉妹グループ(ヴァンデラスに参加したベティ・ケリーも一時在籍)。シュプリームスらの陰に隠れて出世できなかった彼女たちだが、実力は申し分ない。主に(サイケ路線突入前の)ノーマン・ホイットフィールドがプロデュースにあたり、“Needle In A Haystack”“He Was Really Sayin' Somethin’”といったノーザン曲を溌剌とチャーミングに歌った。(林)

VARIOUS ARTISTS 『A Cellarful Of Motown』 Motown 

  膨大なマスターテープが眠っていると噂されるモータウンの〈地下室〉から未発表曲を掘り起こして編集された2枚組コンピレーション。UKにおけるノーザン・ソウル的な観点から選ばれたダンス・ナンバーが中心で、全40曲中39曲が未発表(!)という驚愕の内容だ。有名無名アーティスト入り乱れての選曲で、スティーヴィ・ワンダー“All I Do”のタミー・テレルによるオリジナルが聴けたりも。(林)

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