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特集

憎しみ? 話題作り? 2003~2004年のビーフ事情を観察しよう FOR THE RECORDS!?(2)

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2004年11月11日 13:00

更新: 2004年11月11日 18:13

ソース: 『bounce』 259号(2004/10/25)

文/小林 雅明

50 CENT & G UNIT vs. SO MANY RAPPERS!!

 ビーフといえば、やはり欠かせないのはGユニットだ。50セントがシェイディ/アフターマスと契約を結ぶ前から(水面下で)対立関係にあったジャ・ルール/マーダー・インクとの抗争は、50の歴史的なブレイクと共に一気に顕在化し、世界中のヒップホップ・リスナーが知ることとなった。〈坊主憎けりゃ袈裟まで憎い〉とばかりにジャは、エミネム、ドクター・ドレーにも攻撃を仕掛けるも、かえって手痛い反撃の連打にあい、それにレスするのが精一杯で、仲間のブラック・チャイルドほど効果的な反駁ライムを残せなかった。そこで、実際はそれら既発ディス曲に新作ディスを数曲加えただけの構成ながら、アルバム1枚を要し、あたかも総力を結集し、50~Gユニット対策に当たっているように見せるため『Blood In My Eye』をリリース。そのタイミングに合わせ、ヒップホップ界のビーフ仲介人として実績のあるネイション・オブ・イスラムのファラカーン師とのインタヴューを公開し、ジャは師に諭され、50と和解の準備ができていること、ディスは本意ではないことまで吐露するという、意味不明なプロモーションを展開。かえってGユニット側にツッコミどころを提供してしまった。
 そんな50やGユニットの奇跡的な成功を睨んで、妬み半分でディスを仕掛ける輩も後を絶たない。自称〈元Gユニット〉のバング・エム・スマーフ&ドミネーション(ライムとラップにはかなり骨がある連中なのだが……)、Mrチークスといった同じ地元(サウスサイド、クイーンズ)の新旧ラッパー、また、50と同時期に故ジャム・マスター・ジェイ(ランDMC)に可愛がってもらっていた兄弟分のフレドロ・スターとスティッキー・フィンガーズ(共にオニクス)も、昨年末から今年初めにかけて、そこに参入。が、スマーフ以外は、ライムとラップが弱すぎて、曲そのものはほとんど話題にならなかった。 何しろ彼らが相手にしているのは、言いたいことがあればそれを片っ端からライムにして生きているようなGユニットの連中である。〈HOT97〉出演時に生放送フリースタイルで、シャイン、リル・キムらを名指しでディスしたこともあった。シャインの“For The Record”はそれから1年遅れの反撃曲だが、それを受けて50とロイド・バンクスはすぐさまフリースタイルを発表、ナズと共に一笑に付している。50がナズについて言及するのはこれが初めてではないが、一時はジャやマーダー・インクと急接近したこともあるナズが、間もなくリリースされるニュー・アルバムではどう出てくるのか、軽いジャブを繰り出してみたようだ。一方でジャのニュー・アルバムも出るようだし、まだまだGユニット絡みのビーフは続く。

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