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ファボラスはもはや〈次世代のスター〉ではない(2)

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2004年11月11日 13:00

更新: 2004年11月11日 18:13

ソース: 『bounce』 259号(2004/10/25)

文/高橋 芳朗

色褪せない存在になりたい

 ただし、R&Bタッチの“Can't Let You Go”と“Into You”の大ヒットは、ファボラス自身にハードコアなイメージが失われる危惧を抱かせたに違いない。それは「もっとギャングスタやストリート的な面を押し出したかった」ことから急遽『More Street Dreams』をリリースした点にもあきらかだし、いつになくシリアスなトーンで迫る新作からのリード・シングル“Breathe”にも象徴的だ。

「“Breathe”はこれまでの俺とはちょっと毛色が違う曲だよ。意表を突きたかったっていうか、ただのパーティー・チューンや女の子ウケを狙ったようなR&Bっぽい曲はここでやりたくなかったんだよね」。

 アルバムの制作を務めるのは“Breathe”のジャスト・ブレイズをはじめ、ネプチューンズやスコット・ストーチ、トラックマスターズ、リック・ロック、DJハレドなど。ゲスト・アーティストとしてはリル・モーやT.I.、そしてショーン・ポールの参加もある。

「今回のアルバムでやってるコラボレートは俺が強く望んで実現したものばかりなんだ。無理にコラボした曲なんて1曲もないよ。そのゲストと共演したいと思ったのも曲を良くするのにベストな組み合わせだったからさ。相手の人気に頼ったとか、そういうのはまったくない」。

 ジャケットでの仁王立ちしたファボラスの不敵な面構えと『Real Talk』なるタイトルとは実に相性が良いし、そこからはさらなる飛躍を期する彼の気概と確かな自信を垣間見ることができるだろう。LLクールJを目標とする彼が掲げたヴィジョンは、デビューからわずか3年足らずのアーティストとは思えないほどの風格を漂わせている。

「ずっと良い音楽を作り続けたいし、みんなが聴きたいと思う音楽を提供していきたい……それが俺の活力の源かな。ヒップホップは若い人の音楽だけど長年やっていても色褪せないアーティストもいるし、俺もそうなれたらいいと思ってるよ」。

 ここにきて〈本音〉を突き付けてきたファボラス。我々は彼に対する認識を改める必要に迫られているのかもしれない。

▼『Real Talk』に参加したアーティストの作品を一部紹介。

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