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特集

ネオ・ソウルはどこまで広がっていく?(2)

AMP FIDDLER 『Waltz Of A Ghetto Fly』 PIAS(2004)

  デトロイト在住の鍵盤奏者として20年以上のキャリアを誇るアンプ・フィドラーの初ソロ・アルバム。その雑食センスでファンクもハウスも漆黒の宇宙に呑み込んだ超大作! ジョージ・クリントンやJ・ディラといった地元勢に加え、ラファエル・サディークも参加。(轟)

JOY DENALANE 『Mamani』 Four Music(2003)

  南アフリカとドイツ人の血を受け継ぐアフリカン・ジャーマンによるミクスチャー・ネオ・ソウル。ニーナ・シモンやビリー・ホリデイの曲に挑戦し、南アの音楽や文化を呑み込みながら、母性を感じさせる温もりのある歌声をメロウなサウンドに溶け込ませた快作だ。(林)

DWELE 『Subject』 Virgin(2003)

  ジャンルを跨いでデトロイトのアーバン・ミュージックをクリエイトするネオ・ソウル・ガイ。ラファエル・サディーク一派やフィリー勢に助力を仰ぎ、スラム・ヴィレッジとも絡んだ本作で彼が聴かせるのは、メロウで美麗な眩いばかりのフューチャー・ソウルだ。(林)

RAHSAAN PATTERSON 『After Hours』 Dome(2004)

  UKの優良レーベル、ドームからリリースされた、待望のサード・アルバム。盟友ヴァン・ハントも数曲で共作に参加。変わることなく、より如何なく発揮されたミュージシャン魂とファンクネスに感嘆。彼のどこまでも伸びてゆく歌声のように、打算など一切ない会心作。(佐藤)

RHIAN BENSON 『Gold Coast』 DKG(2003)

  表題の〈黄金海岸〉があるガーナで生まれ育った才媛。これが処女作で、ジェイムズ・ポイザーやボブ・パワーらとガッチリ組み、生演奏メインのジャジーなサウンドに乗せて妖艶なヴォーカルを解き放つ。アフリカ的神秘も漂わせた後光眩しいネオ・ソウル盤だ。(林)

MYRON 『Free』 Moja(2004)

  98年のメジャー・デビューから6年ぶりとなる2作目は、彼と旧友ジョシュ・ホニストックによるインディー・レーベルから。曲もすべて2人で制作し、シンプルかつ濃度を増したサウンドはしなやかでいて生々しい。自身の音楽への探求心とピュアな音楽愛の結晶的逸品だ。(佐藤)

GENO YOUNG 『The Ghetto Symphony』 AB Music(2004)


  ダラス出身のマルチ・クリエイターで、同郷のエリカ・バドゥやエンダンビを手掛けて注目を集めたジーノの初アルバム。派手さはないが南部らしいドロリとしたグルーヴが、芯の太い本人の歌にまとわりついて、表題どおりのゲットー・シンフォニーな趣を醸す。(轟)

SWEETBACK 『Stage [2]』 Epic(2004)

  シャーデーの男性演奏陣3人による別プロジェクト、スウィートバックのセカンド・アルバム。前作より歌モノに重点を置きながら、スチュアート・マシューマンを中心に繰り広げられる音世界はまったくもってボーダレス。研ぎ澄まされた洗練のなかに宿る心地良さが極上です。(佐藤)

THE RH FACTOR 『Hard Groove』 Verve(2003)

  ジャズ・トランペッターのロイ・ハーグローヴがジェイムズ・ポイザーら腕利きミュージシャンを迎えたプロジェクトの作品。ゲストにエリカ・バドゥ、コモン、ディアンジェロらを招き、ヒップホップとジャズを交配させて現代風のアーバン・ソウルを提示した。(林)

VARIOUS ARTISTS 『Neo Soul United 2』 Glory(2004)

  インディーで活動するネオ・ソウル系アーティストの楽曲を集めたコンピの第2弾で、元ディガブル・プラネッツのレディバッグ・メッカなどを収録。多くはディアンジェロやエリカ・バドゥの影響下にあるものの、めざす方向はさまざまで、今後の展開が期待される。(林)

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2004年10月21日 13:00

更新: 2004年10月21日 16:55

ソース: 『bounce』 258号(2004/9/25)

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