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特集

BROTHERS【ブラザーズ】 パンクから派生した音楽的な兄弟をご紹介!


スーサイダル・テンデンシーズの88年作『How Will I Laugh Tomorrow When I Can't Even Smile Today』(Epic)

SKATE PUNK
反体制を主張するパンク/ハードコア勢とは違った、US西海岸ならではのカラッとした明るさ。短パンにスニーカー、ベースボール・キャップにバンダナといったラフな格好で、歌詞も日常の身近なものが中心。LAのスーサイダル・テンデンシーズを筆頭に、D.R.Iやギャング・グリーンなどが代表的なバンド。

MELO-CORE
〈=メロディアスなハードコア〉というわけだが、この呼称は日本だけで使われているようだ。ハードコアのスピードにメロディアスさを加えた軽快でパンチの効いた曲で、パンクをより大衆に知らしめたカテゴリーの一つ。スナッフやバッド・レリジョン、NOFXなどがルーツとされている。

HARDCORE
ハードコアといえば80年にデビューしたディスチャージを聴かずには語れない。性急なビートに破滅的なサウンド、反社会的なメッセージが痛烈だ。彼らの出現が、のちの世界各国のシーンに多大な影響を与えたことは言うまでもない。クラスト/グラインド・コアの原点もここにある。

HORROR PUNK
デヴィロック・ヘアにオドロオドロしいメイク──ゾンビやモンスターを題材にしたB級ホラー映画をイメージさせるもの。代表バンドとしてミスフィッツが挙がるのは当然だが、実はダムドのデイヴ・ヴァニアンの吸血鬼を思わせる白塗りメイクがホラー・パンクのルーツなのかも?

GARAGE PUNK
無駄なものを削ぎ落としシンプルかつプリミティヴに、ロックンロールの初期衝動で本能のままに突っ走るスタイル。やはりMC5やストゥージズが有名だが、パンクと馴染み深いところでは、ロケット・フロム・ザ・クリプトやクランプス、ドゥワーヴスなどは、ぜひ押さえておきたいところ。

PSYCHOBILLY
グアナバッツ、バッドモービル、メテオスなどにより80年にUKでブレイク。ビッシビシのスラップ・ベースにパンキッシュな曲、ゾンビ・メイクのルックスが特徴。最近ではビング・エンドやタイガー・アーミーらがヘルキャットからアルバムをリリースし、より一般的に認知されつつある。

NYHC
古くはビースティ・ボーイズやハートアタックなどが存在していたが、現在の男気溢れるストロング・スタイルなイメージを定着させたのは、アグノスティック・フロントやクロ・マグスだろう。またヒップホップ・スタイルを採り入れ、日本で大ブレイクしたバイオハザードもNYHCの立役者だ。

HEAVY METAL
80年、パンクの〈D.I.Y.〉精神にならって、UKの若者たちが〈自分たちのロックを演る〉と〈N.W.O.B.H.M.〉なる一大ムーヴメントが勃発。サム41が影響を受けたアイアン・メイデンもここから誕生した。また、モーターヘッドがパンクスに支持されたりと、ヘヴィメタルとパンクの関係は意外に深い。

POP PUNK
メロコアから派生したもので、そのメロディックな部分をより強調させハードコアな部分を削除した結果、ポップさが前面に出たパンク・ロックとなった。その親しみやすいメロディーとキャッチーな楽曲は、あらゆるカテゴリーのリスナーから支持されている。バステッドやシンプル・プランなどが代表バンド。

COW PUNK
ガレージ・パンクとややダブるところはあるにせよ、平たくいえばパンクにカントリー・ミュージックを足したようなものだろうか。なかでもアリゾナ出身のスーパーサッカーズは当時、〈カウボーイ・スラッシュ・ロック〉などと呼ばれていた。ほかにもレイジー・カウ・ガールズなんてバンドもいたっけ。

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2004年09月30日 14:00

更新: 2004年10月21日 16:56

ソース: 『bounce』 258号(2004/9/25)

文/杉本 康雄

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