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特集

AtoZ for PUNX(A~L)

(1) 代表作 (2) 出身国 (3) バイオグラフィー  (4) 彼らが好きなら、こちらもオススメ

THE ADICTS【アディクツ】
(1) 82年作『Sound Of Music』(ヴィヴィド)
(2) イギリス 
(3) 本誌でもお馴染み(?)白塗りメイクのヴォーカル、モンキー率いる第2世代パンク・バンド。80年頃から、映画「時計じかけのオレンジ」にインスパイアされたドルーグ・ファッションに身を包み、以降、独自の世界観とどこか物悲しさを持つポップな楽曲で、個性をすっかり確立させやがった憎いヤツら。日本でも、80年代中頃に同じUKのトイ・ドールズと並んで〈ポップ・パンク・バンド〉として人気を博し、86年の初来日ライヴ at 日比谷野音はもはや伝説のギグとなっている。代表曲は“Viva La Revolution”だが、アルバムとしては、遊園地ジャケがすべてを物語る、エンターテイメントっぷり大爆発なセカンド『Sound Of Music』を聴けば間違いナシ! 
(4) ディッキーズ、メジャー・アクシデント(ヤマダ)

ANARCHY【アナーキー】
よく見る〈A〉マークは、パンクスのスローガンでもある〈アナーキー=無秩序〉を表すもの。だがそのなかには、〈やりたい放題〉のガキ・パンクス的無秩序もあれば、〈他人の秩序は不要、律するのは自分!〉というハードコアな無秩序もアリ。ちなみに漢字で書くと、日本のバンド〈亜無亜危異〉となる。キミはどのアナーキーが好キー?(ヤマダ)

ATTITUDE【アティテュード】
音楽的にもルックス的にも刺激度満点なパンクスたるもの、やっぱし確固たる〈アティテュード=姿勢〉が伴ってなきゃあ話にならない! 意見も無ぇ、中身も無ぇ、主張もそれほど持って無ぇという〈ナイナイナイ(not 999)〉な張子の虎では、ただのシブガキ・パンクスで終わっちまうぜ! ワンパクでもいい、逞しく主張してくれ!!(ヤマダ)

BAD BRAINS【バッド・ブレインズ】
(1) 82年作『Bad Brains』(Roir)
(2) アメリカ 
(3) ワシントンDCで結成後、NYを拠点に活動していた黒人バンド。アメリカ軍人の父と在英ジャマイカ人の母を持つバンドの顔であるHRが、生まれ育ったUKを離れてワシントンDCに渡ったのは15歳のとき。元々はジャズ/フュージョン系のバンドだった彼らは、セックス・ピストルズとの出会いでパンクに開眼、まっしぐらに超速ハードコア化していく。ファースト『Bad Brains』ですでにハードコアとレゲエを同次元で演奏する独自のスタイルを確立していたのがポイント! アクロバティックでメチャウマな演奏と、HRの狂気じみた憑依系ハイトーン・シャウトに〈ビリビリッ!〉とやられちゃったら、もう奴らの虜! 〈ミクスチャー・ロックの元祖〉的存在。 
(4) フィッシュボーン、クロ・マグス(冨田)

BAD RELIGION【バッド・レリジョン】
(1) 88年作『Suffer』(Epitaph)
(2) アメリカ 
(3) 80年にLAで結成。メロディアスでありハードコアのスピード感も兼ね備えたパンク(ハードコア)・バンドである。現在当たり前のように使われている〈メロコア〉という言葉から、OVER 30'sなオッサンパンクスがまず思い浮かべるのがこのバンドだったりするのではないだろうか。その後ボッコンボッコン出てくることになるその手のバンドは、ある意味バッド・レリジョン(や他いくつかの偉大なバンドたち)が築き上げてきた道の上を歩いていると言っても過言ではない!! まずは現在のバッド・レリジョン・サウンドの基礎となった『Suffer』あたりから聴いてみてはどうだろう。ちなみにあのエピタフは、オリジナル・ギタリストであるブレット・ガーウィッツが運営している。
(4) フェイス・トゥ・フェイス、NOFX(岡林)

BLACK FLAG【ブラック・フラッグ】
(1) 81年作『Damaged』(SST)
(2) アメリカ 
(3) US西海岸のハードコア・パンク最重要バンドは76年に結成。ヴォーカルが常に流動的だった76~80年を経て、ワシントンDCのバンド、S.O.A.からヘンリー・ロリンズを迎え入れたことで不動のラインナップに。この代表作『Damaged』は、クラウチング・スタートに失敗した短距離走者が、前のめりのまま全速力で走り抜けていくかのようなグレッグ・ジンのギターの上を、ハンマー投げゴールド・メダリスト、室伏広治ばりの筋肉を持つ、というかルックス自体が激似なロリンズがマイクを握り潰しながら絶叫している。尋常じゃない怒りと気合に満ちた即モッシュ大名盤! 
(4) サークル・ジャークス、ヴァンダルス(冨田)

BLITZ【ブリッツ】
(1) 82年作『Voice Of A Generation』(Cherry Red)
(2) イギリス 
(3) Oi Oi Oi!! いきなりだがこのコーラスのカッコ良さは、いつ聴いてもまったく色褪せることはない! 半分パンクス、半分スキンズからなるこのバンドは、80年の春にノースウェストで結成。デビュー・ギグはディスチャージのサポートだったとか!! 野太いしゃがれ声のがなりヴォーカル、迫力のOi Oiコーラス、速すぎず良く練られた楽曲は本当に〈渋い〉! 手に入りやすいところでは、最高のパンク・ドキュメンタリー映像である「UK/DK」で彼らの勇姿を観ることができる。UKハードコア・ファッションともまた違う、シンプルで洒落た労働者然としたファッションもやっぱり〈渋い〉。ジャケも最高な『Voice Of A Generation』を聴けば、その魅力はすぐに伝わるはずだ! 
(4) シャム69、エンジェリック・アップスターズ(岡林)

BLONDIE【ブロンディ】
(1) 78年作『Parallel Lines』(Chrysalis)
(2) アメリカ 
(3) 妖艶なのになぜかムショーに甘酸っぱい香りをプンプン振りまくデボラ・ハリー嬢の魅力(歌もルックスもキュートすぎてたまらん!)。76年のデビュー当時には、まだいくらかヒリヒリとした地下NY的な臭いを漂わせていたが、そんな地下臭を一掃した中期以降は、ひたすらキャッチーで明快なヒット・チューンを連発! パンクの勢いに乗せて登場しつつも、60'sガールズ・ポップス的胸キュン・ワールドを拡大解釈させ、よりモダンに発展させた独自のブロンディ・サウンドに男子も女子もメロメロでした。そういえば、〈デビュー時のデボラ・ハリーがすでに30歳を越えている〉という噂を聞いたときの衝撃は、セックス・ピストルズを初めて聴いたときよりも大きなものでした。
(4) ノー・ダウト、ボビーティーンズ(北爪)

BUZZCOCKS【バズコックス】
(1) ベスト・アルバム『Singles Going Steady』(EMI)
(2) イギリス 
(3) 76年結成、マンチェスターが産んだ初期パンク界不動のNo.1メロディーメイカー! 初代ヴォーカル、ハワード・ディヴォート(のちにマガジン結成)在籍時のラフな楽曲も良いが、胸を掻きむしられるような戦慄の美旋律&独自のひねくれポップ感を併せ持ち、タイトなビートと絶妙なコーラスでズバズバ攻めてくる計り知れない数の奇跡的名曲は、新旧パンク・ファン~パワー&ギター・ポップ・ファンをも感動させること確実だ! 特にアルバム未収録曲に名曲が多い彼らだけに、胸キュン&泣きメロの豪雨号泣雨アラレなシングル編集盤『Singles Going Steady』は、一枚のアルバム以上に濃密な内容で最高! 思わず膝抱えちゃうよ……嗚呼!! 
(4) アンダートーンズ、ネオン・ハーツ(ヤマダ)

CHAOS U.K.【カオス・ユーケー】
(1) シングル・コンピ『Total Chaos』(Anagram)
(2) イギリス 
(3) カオスUK=混沌のUK! まずバンド名からして、そのサウンドがカッコ悪いわけがない。79年、パンク・ロックにやられた(かなりの)悪ガキどもが集まり結成。82年、名門パンク専門レーベル(?)であるライオット・シティーからデビュー! のちにノイズ・コアと呼ばれることになるそのサウンドは、ドッタバタでつんのめったドラムに、セミの鳴き声か?ってなジージー撒き散らすノイズ・ギターに合わせて叫ばれる〈ファック・ユー・アティテュード〉全開なヴォーカルと、もう完璧! なんでこうなったんだろう? 本当に不満でいっぱいだったんだろうなぁ……。シングルを集めた『Total Chaos』でも、凄まじいまでのノイズを体験することができる。
(4) ディスオーダー、カオティック・ディスコード(岡林)

THE CLASH【クラッシュ】
(1) 77年作『The Clash』(Epic)
(2) イギリス 
(3) 76年、ジョー・ストラマー率いる101'ersがロンドンでギグを行った際、〈あるバンド〉をサポートに迎えることになった。その〈あるバンド〉とはもちろんセックス・ピストルズのことであり、ジョーはあまりの衝撃に101'ersを速攻で解散させてクラッシュを結成する。デビュー作『The Clash』(邦題:白い暴動)は、未熟で粗暴だからこそ死ぬほどカッコイイ、まさに初期衝動の塊だ! その後彼らはレゲエやダブに接近していくわけだが、考えてみればレゲエもパンクと同じレベル・ミュージックであり、早くも生まつつあったパンクに対する固定概念にさえも、常に革新的なサウンドで反逆/反抗していく。その姿そのものがまさにパンクだった。
(4) リバティーンズ、ブレイン・フェイラー(冨田)

CRASS【クラス】
(1) ベスト・アルバム『Best Before 1984』(Crass)
(2) イギリス (3) クラスがロンドン郊外で自給自足の共同生活を送る、いわゆるコミューンを形成していた男女8人組であったことはわりと知られているが、彼らの起源が60年代にまで遡れることはあまり知られていない。彼らが〈アナーキー&ピース〉〈アンチ・システム〉を御旗の下、堕落した大御所パンク・バンドに激しくNo!を叩きつけて本格始動したのは77年。そして、結成時から予告していたとおり84年に解散する。そんな〈全身、これハードコアなり!〉な彼らの活動と思想を余すことなく楽しめるのがこのベスト・アルバムである。とにかく過激でフリーキーでアヴァンギャルド! レゲエ、ノイズ、スポークン・ワードもあるがポゴ・ダンスもする、完全独自のパンク・スタイルを創造した。
(4) ストラッドフォード・マーシナリーズ(冨田)

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2004年09月30日 14:00

更新: 2004年10月21日 16:56

ソース: 『bounce』 258号(2004/9/25)

文/bounce編集部

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