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特集

キャリアと共に深化を続ける、ポール・ウェラーの黒人音楽愛 I SHOULD HAVE BEEN THERE TO INSPIRE YOU

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2004年09月02日 16:00

更新: 2004年09月02日 17:53

ソース: 『bounce』 257号(2004/8/25)

文/北爪 啓之

 ザ・フーやスモール・フェイセズを通じて、60'sのモータウンやスタックスに接したことから彼のソウル遍歴は始まる。ジャムのアルバムでもウィルソン・ピケットやマーサ&ザ・ヴァンデラスの楽曲を取り上げているが、しっかりリズム&ブルースがビート化しているところがおもしろい。ジャム後期には70年代のニュー・ソウルやファンクにまで興味が及び、カーティス・メイフィールドやシャイ・ライツなどのカヴァーをライヴで披露。その黒人音楽追究魂が爆発したのがスタイル・カウンシル時代。特に1作目の『Café Bleu』は、ブッカーT&ザ・MG's風のリズム&ブルース・インスト、Pファンク(ライヴでもファンカデリックをカヴァー)、ファンキー・ジャズやラテン、果てはラップまで採り入れたお洒落な黒人音楽見本市のごとき傑作となった。

ソロ以降は、アシッド・ジャズ・ムーヴメントを通じてカーリーン・アンダーソンなど、同時代の黒人アーティストと交流したりしつつ、音楽的嗜好はよりディープなUS南部サウンド(シングルではエッタ・ジェイムズやボビー・ブランドなどの渋くブルージーな曲をカヴァー)へと傾倒。そして全編カヴァーのニュー・アルバム『Studio 150』からの先行シングルは、ギル・スコット・ヘロンのレア・グルーヴ古典“The Bottle”といった具合に、とにかくいつの時代でも〈俺、ブラック・ミュージック大好きなんだもんね〉という情熱を、他人が見てもすぐにわかるほど表面化しまくっているのが、実直で一本気なポール・ウェラーらしくて素敵なのだ。

▼文中に登場するアーティストの関連盤を一部紹介。


ウィルソン・ピケットの66年作『The Exciting Wilson Pickett』(Collectables)

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