MORE & MORE(2)
YOYO-C 『THE SPECIALIST』 アルファエンタープライズ(2003)
ジャマイカのレゲエを追っかけてナンボ、もちろんそれもしかり。だが、ジャマイカ人にもアメリカ人にもなれない、日本に住むひとりのDJとして音楽を表現することもまた心あるものが取る道のひとつとして立派である。VUNGEEという男と連れ立って、それを表現したYOYO-Cのこのアルバムもそんな凛とした存在感が際立っている。(一ノ木)
JUNIOR DEE×振動弐百 『FREEDOM』 アルファエンタープライズ(2004)
じっくりと〈言葉〉を伝え、そして思いっきり聴き手を楽しませるその話芸がJUNIOR DEEの魅力。で、今作はそこに振動弐百による温かいナマ演奏が加わった、味わい深くてオリジナルな共演盤だ。ライヴの生々しさをジンワリと感じさせてくれるような人肌感覚のサウンドもなんとも心地良い。価値ある作品とはこのことか。(尾波)
BOOGIE MAN 『EARLY YEARS』 Imperial
大阪を拠点に10年以上もの長きに渡って活躍を続けるヴェテランDJの初期音源集。当時の一般リスナーにレゲエの存在を知らしめることに貢献した“パチンコ・マン”も収録。大阪愛デンティティーを見事に凝縮したユーモア溢れるものや、音楽への思いが全開のグッとくるものなど色彩豊かな楽曲と彼自身は、今も多くの現場、そしてファンに愛され続けている。(YAHMAN)
PAPA U-Gee With ZION HIGH PLAYERS 『I&I Train』 ZION HIGH(2002)
日本レゲエ界においてはもっとも初期の段階からマイクを握り続けているオリジナルDJ、PAPA U-Gee。レゲエが持つおかしさと楽しさをサラリと表現してしまうそのマイク捌きには、そのキャリアの痕跡がありあり。スキップするような“KEICAI NI(Dance to JAH MUZIK)”の(文字どおり)軽快なノリなんてなかなか出せるもんじゃないですぜ。(尾波)
NANJAMAN 『STRAIGHT UP』 爆音SYNDICATE(2003)
“GANGSTA 893”や“TSURE”といった代表曲も収録した〈ハマの兄貴〉のファースト・アルバム。すべてのハミダシ者たちが涙した“行きたきゃ行け”での人間味溢れる語り口は、ここ日本でしか生まれ得ないレゲエ・ミュージックの理想型のひとつだろう。猛烈にトバしまくる“RUDDIM RIDER”の豪快さも彼ならではで、まったく飽きさせない全14曲だ。(大石)
SILVER-BUCK 『soul rebel』 B.P. 2011(2004)
爆音SYNDICATEのセキュリティーからマイク持ちに駆け上がった異色の経歴の持ち主、SILVER-BUCK。ジャパニーズ・レゲエ界を牽引し続けてきたB.Pの目に留まってデビューを飾ることとなった彼の魅力はそのゴツゴツとしたヴァイブス。不良やヤクザもんのライフ・スタイルを(カタギがビビっちゃうぐらいに)リアルに描いた、いろんな意味でハードコアな一枚。(尾波)
VADER 『V.X.L(FIVE-EXTRA-LARGE)』 ジェネオン(2004)
大阪の特攻隊長VADERによる初のミニ・アルバム。その名を一躍全国に広めたMINMIとの“The Rock City”やHAN-KUNとの“TAKE YU HIGH”など彼を代表するヒット・チューンもガッチリ収録。また新録曲も超アッパーで、この夏現場でかかりまくること請け合い。浪速のレゲエ・シーンを担う若侍としての心意気がギッシリ詰まった一枚です。(山西)
VARIOUS ARTISTS 『DANCEHALL HIGH!!』 Flying High(2004)
新しい時代の到来を予感させる東京発のコンピ。期待のHIBIKILAやSHIBA-YANKEE、またヒップホップ界からはKREVAやUZIが参戦するなど、ちょっと意外な顔ぶれがおのおのレゲエを楽しんでる様子に心踊らされる。なかでも50代代表ランキン・タクシーが誰よりものびのびとリディムに乗っているのにはシビれます。この姿勢こそがレゲエ。(山西)
VARIOUS ARTISTS 『DANCEHALL PREMIER 2』 cutting edge(2004)
Keyco、H-MAN、ラッパ我リヤなどが参戦し、レゲエとヒップホップが入り乱れた凄まじいコンピ。ジャケもギラついているけど、内容もソートー濃いです。痛烈な人間風刺をしてやったPAPA B(カッコイイ!)や、とにかく壮大なSpinna B-ill、バッド・ボーイ論を説くスチャダラパー……と、トピックが多すぎて書き切れません。(山西)
VARIOUS ARTISTS 『DA REAL DANCEHALL PLAYERS』 ジェネオン(2004)
大阪のARUZ STUDIO編集のコンピ・シリーズ第2弾。まだリリースの少ないメンツに焦点を当てる姿勢が嬉しい。ここでもKENTY-GROSSが3曲を書き下ろして気を吐くほか、JUNやPETER MAN、先頃ミニ・アルバムをリリースしたVADERなど、今後注目しておきたいDJ/シンガーが並ぶ。青田買いというには楽しみすぎ。(一ノ木)
VARIOUS ARTISTS 『激録 Masters Of RAB-A-DUB '99』 カエルスタジオ/アルファエンタープライズ(1999)
大阪のカエルスタジオが贈る、国内初超絶熱伝導率ラバダブ実録銀盤。RED SPIDERのJUNIORを司会に、その場で放たれるオケに乗せて次々とマイクを回していく16人のラバダブ・マスター──JTB、RYO the SKYWALKER、NG HEAD、SILVER KINGなど──そのヴァイブスは最新再生機を溶かすほどに熱い。(YAHMAN)
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