耳で聴いたピープル・トゥリー
ザ・フーが与えた大きな影響は、ここに一本のトゥリーを生んだ
THE JAM
『In The City』 Polydor/1977
モッズ? パンク? もしもザ・フーが77年にデビューしていたら、彼らと同じようなこと言われたでしょうか。さて、本作のタイトル・ナンバーは、フーの同名曲をフレーズ含めて知的にパクッたもの。79年発表のアルバム『Setting Sons』ではザ・フーに倣ってか、“Heat Wave”のカヴァーもしております。(久保田)
SCHOOL OF ROCK
『Soundtrack』 Atlantic/2003
70'sロックへの愛情に満ちた「スクール・オブ・ロック」のサントラ。そのテーマ曲は、イントロから〈無法の世界〉を限りなく彷彿させまくり。曲を書いたのはムーニー・スズキのフロントマン、サミー・ジェイムズ・ジュニアで、もちろん彼は大のザ・フー・ファン。もちろんザ・フーの〈恋のピンチヒッター〉も収録!(ロビ太)
ザ・ブルーハーツ
『HIGH KICKS』 ワーナー/1991
ピートのウィンドミル奏法をナマで観て号泣したのはヒロト。かつてヒロトはコーツ、マーシーはブレイカーズっていうモッズ・バンドをやってましたね。ちなみに、梶くんのロックンロール座右の銘は〈迷ったときはザ・フーを見ろ〉。本作収録“心の救急車”は河ちゃんの〈ザ・フー愛〉でいっぱいです。(久保田)
LIMPBIZKIT
『Results May Vary』 Flip/Interscope/2003
ヘヴィー/ミクスチャー・ロックの重戦車、リンプビズキット。紆余曲折の果てにリリースされた本作では、ザ・フー“Behind Blue Eyes”をカヴァー。それも終盤、しみじみと歌い上げたりして。〈悪い男がどんなものかなんて誰も知らない〉。そう歌うフレッド・ダーストはピートから男意気をも受け継いだ。(ロビ太)
THE ROLLING STONES
『Their Satanic Majesties Request』 Abkco/1967
本作発表前夜、〈夜をぶっとばせ〉とばかりにハシャギ過ぎ、檻のなかに放り込まれたミック・ジャガーほか2名のローリング・ストーンたち。そんなこんなでバンド存続が危ぶまれた彼らの音楽を誇るべく、ザ・フーは彼らの“The Last Time”“Under My Thumb”をカヴァーしてリリース……ということもありました。(久保田)
ザ・タイガース
『ヒューマン・ルネッサンス』 ユニバーサルJ/1968
〈サージェント・ペパーズ〉発表から1年後に出された日本からの回答でもありますが、収録曲“730日目の朝”は、ザ・フー『Tommy』に先駆けること半年のロック・オペラ。なお、同時期にはコンサートで“My Generation”をカヴァーしてたり……そちらはコンピ『レア&モア・コレクション1~LIVEヒストリー編~』で。(久保田)
THE RASCALS
『The Very Best Of The Rascals』 Rhino
新しいもの好きだったザ・フーは、ブルーアイド・ソウルを代表するバンド、ラスカルズの全米No.1ヒット(66年)でも知られるオリンピックスのカヴァー“Good Lovin'”を、ほぼ同時期に取り上げています。日本でもTVCMに使用されていましたね。実はこういうポップな曲のカヴァーはキースの趣味なのです!(冨田)
SHERYL CROW
『C'mon C'mon』 Interscope/2002
ワイルドな美貌でロックの女王として君臨するシェリル・クロウも、ザ・フーには身体を、じゃなくて曲を捧げた。ザ・フーのトリビュート・アルバムに参加したシェリルは、メンバーのなかでは誰が好みだったのでしょうか。でもエリック・クラプトンと付き合うのなら、ピート・タウンゼントのほうが絶対いいって。(ロビ太)