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特集

ロックが書き綴る、〈トータル・アルバム〉あれこれ GUITAR AND PEN

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2004年07月08日 16:00

更新: 2004年07月08日 17:12

ソース: 『bounce』 255号(2004/6/25)

文/北爪 啓之

 ここではザ・フーと同時期に活躍したアーティストたちによる〈トータル・アルバム〉をいくつか紹介してみたい。すべての始まりはビートルズ!ってなわけで、作品をまるごと架空のショウにした『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』がトータル・アルバムの先鞭を付けた。ザ・フーの『Tommy』より1年以上も前にリリースされているのに、逆に〈パクリ〉と勘違いされ、異常に過少評価されている悲しき名作がプリティー・シングスの『S.F. Sorrow』。これこそ史上初のロック・オペラである(声を大にして)!! ザ・フーの永遠の好敵手であるキンクスにも、素晴らしいトータル・アルバムは多い。なかでもイギリス片田舎のささやかな人間模様を描いた『The Village Green Preservation Society』は、独特の郷愁と哀愁に満ちた逸品。海の向こうアメリカに目を移せば、西部のならず者の物語を綴ったイーグルスの『Desperado』。ヘタな西部劇を観るよりも泣けるぞ! 天才奇人フランク・ザッパにも、音楽ビジネスを取り締まる国家権力との闘争劇であり、近未来的変態SF劇でもある『Joe's Garage Acts I, II & III』なんて傑作がある。そして最後はPファンク。『Mothership Connection』以降のパーラメントの諸作で繰り広げられる、ドクター・フランケンシュタインとサー・ノウズの対決は、真摯な社会性をバカのオブラートで包みつつ、個性派役者(Pファンク軍団)を適所に配した壮大(?)なSF大河絵巻として、〈スターウォーズ〉とタメを張る完成度を誇っている。

▼文中に登場のアルバムを紹介

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