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特集

THE WHO(4)

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2004年07月08日 16:00

更新: 2004年07月08日 17:12

ソース: 『bounce』 255号(2004/6/25)

文/山内 史

ザ・フーはロックの歴史と共に生きる

 
 バンド全盛時からメンバーのソロ活動に寛容だったのもザ・フーの特異性のひとつであるが、解散後も当然のように各メンバーは活動を続ける。

 70年代から始めていた俳優業(「Tommy」にも出演)とソロ活動を並行させていくロジャー。バンドの中心人物にふさわしく自己のクリエイティヴィティーを遺憾なく発揮した創作を続け、ローリング・ストーンズの面々にいまだ〈ズボン〉呼ばわりされながらロック史に足跡を刻んでいるピート。ザ・フー解散前から、ライゴー・モーティス、自身のあだ名を冠したオックスといったバンドも結成していたジョン──そのジョンだが、何度目かのリユニオンを目前に控えた2002年6月に急死、〈静かな男〉が最初にして最大の衝撃を、世界中に与えたのだった。

 そう、リユニオン。〈60年代から活動を続けるザ・フー〉は終息したが、〈ロック史におけるザ・フー〉はいまだ現役バリバリなのだ。ここ日本でも、演奏を観たいという音楽ファンのいたいけな心情を逆なでするような最低の構成(スタイル・カウンシルの演奏中に司会者の顔のアップをカットイン)でTV同時中継された85年の一大チャリティー・フェスティヴァル〈ライヴ・エイド〉を皮切りに、何度かの再結成を果たしている。枯れていく様をまざまざと見せるのではなく、その時々に各自の経験を持ち寄って〈今〉の充実を示す、というのは、言い方は悪いが賢い選択に思う。

 現役バリバリの根拠はもうひとつ、惨然と輝くディスコグラフィー。ロックに身を捧げる決意をした若者によっていつの時代にも参照され続けている、という理想的にギラついた輝きを放つ初期作はもちろん、〈初期衝動を超えたあとに何をどう表現するか?〉のヒントと解答が分厚く記された中~後期も含め、ロック・ヒストリーがザ・フーを紀元前に追いやることはよもやあるまい。ザ・フーに再評価という言葉はそぐわず、常に現役の評価が、その時代の怒れる若者と、怒れる若者だった者から与えられているのだから。

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