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背筋も凍りつくホラーの世界

 韓国ホラーもいろいろあるけど、なかでも人気シリーズといえるのが〈女高怪談〉シリーズ。最新作として「狐怪談」が夏に公開を控えているが、このシリーズは女子高を舞台にしているだけあって、女の子がとにかく可愛い!

 なかでも「少女たちの遺言」(99年)は、レズビアンというトピックも交えながら少女たちの成長を描き、センシティヴな青春映画といった趣も。その対極にあるのが「カル」(99年)で、韓国では初めて猟奇殺人を題材に描いたハードな作品。殺害した被害者をバラバラにしてはその一部を持ち帰る、という衝撃的な犯人像と、ハン・ソッキュ、シム・ウナという人気スターの共演が話題を呼んで公開当時は韓国を揺るがす大ヒットとなった。そして異色ホラーといえるのが、コ・ホギョン主演の「クワイエット・ファミリー」(98年)。家族でペンションを始めたら、なぜか連続殺人が巻き起こるシュールな物語。キム・ジウン監督は新作「箪笥」で、一転してアートなホラーをめざしていて、こちらも要注意だ。(村尾)


「カル」(クロックワークス)

まずはこの一本! ~ホラー編
『ボイス』
ブエナ・ビスタ(2002)

  最近の韓国ホラーを代表するのがアン・ビョンギ監督によるコレ。携帯電話という身近な小道具を使い、ある電話番号を使った人間が次々と怪死していくという物語は、その設定が「リング」と比較されたりもした(といいつつ、日本ではこの後「着信アリ」とか作ってるけど)。とはいえ、その恐怖を軸にキャラクターたちの愛憎劇をねっとりと塗り込んでいるところが、韓国映画の醍醐味。ある番号を使ってしまったばかりに呪われるヒロイン、その親友、そして呪いの番号の元の持ち主による心理劇が後半じわじわと恐怖と悲劇を生んでいく。でも、いちばん恐いのは親友の妹の演技!  7月公開の監督の新作「友引忌」も楽しみだ。(村尾)

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2004年07月01日 17:00

更新: 2004年07月01日 19:12

ソース: 『bounce』 255号(2004/6/25)

文/高橋 荒太郎、村尾 泰郎、山田 大輔

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