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緊張感溢れる戦争／スパイものの重厚な世界

　北朝鮮と韓国の関係は切っても切れないものだが、やはり映画の中でも北朝鮮との関係を物語の中に盛りこんだものが多い。ハリウッド級の大作として大ヒットとなった「シュリ」や、同じ大作でソン・ガンホ、イ・ヨンエ、イ・ビョンホンなどのスターが出演した「JSA」は言うまでもない。また、イ・ジョンジェやアン・ソンギが出演した「黒水仙」は50年前の朝鮮戦争の悲劇と悲恋が現代に浮かび上がる作品。「二重スパイ」は、ハン・ソッキュ演じる北朝鮮から偽装亡命したスパイと、コ・ソヨン演じる同じく潜入スパイを軸に繰り広げられるサスペンス・アクションの大作だ。

　韓国と北朝鮮、両国の複雑な関係を描いたこれらの映画はその歴史を知るともっと楽しめるものも多いが、いずれも重苦しさを感じさせずに、エンターテイメントとしての娯楽性も高い作品ばかりである。(高橋)

DVD「シュリ」（アミューズ）

まずはこの一本!　～戦争／スパイ編
『JSA』アミューズ（2000）

　　前年に大ヒットした「シュリ」に続いて本作も大ヒットを記録。板門店にある共同警備区域で起きた兵士射殺事件で物語は始まる。事件の究明を目的に、スイスの中立国監視委員会から派遣された女性将校が絡み、事件の裏に隠された北の兵士と南の兵士との意外な関係が明るみに出るという話。主役の南の兵士を演じるのは日本でも人気の俳優、イ・ビョンホンで、北側兵士の主役は最近では「殺人の追憶」での名演も記憶に新しいソン・ガンホ。女性将校役は「ラスト・プレゼント」にも主演しているイ・ヨンエという華やかなキャスティングで、それぞれの名演も光る好作品だ。(高橋)