映画とTVドラマに見る韓国人の国民性って……?
〈韓流〉のおかげもあり、近くてお手頃な外国としてすっかり親しまれるようになった韓国。でも、お隣さんとはいえ、その文化やものの考え方などは、われわれとはちょいと違う。そもそも、韓国は朝鮮時代から伝わる儒教文化の影響もあり、日本人の常識では疑問を抱くようなことがたくさんある。韓国ドラマや映画を観ていると、さまざまな〈へぇ~〉が見受けられる。
たとえば「冬のソナタ」や「美しき日々」でも見られる光景に、目上の人とお酒を呑む時に顔を背けるシーンがある。これは、自分よりも目上や年上の人には絶対的な敬意を払っており、面と向かって酒や煙草を呑むというのは無礼にあたると彼らが考えているからだ。その反面、映画「ラブストーリー」や「JSA」などでも見られた、目線の同じ友達同士の関係の深さは日本人以上。いや、世界一といってもいいかもしれない。なぜなら、異性同士ならずとも同性同士の友達の友情の深さはわれわれの常識を越えており、席を外している友人の携帯電話が鳴っていたら代理で出てしまうのはもちろん、ゲイでなくともいっしょに布団に入ることも珍しくない(逆に韓国ではゲイがひどい差別の対象になることも)。それだけに、ドラマなどで描かれる友達描写は厚く、日本人には少々おせっかいにも見え、too muchに映ることもある。
また、人気韓国ドラマのお約束にもそのカギがある。「星に願いを」で描かれる〈家柄の違う男女の恋愛〉や〈孤児〉は、韓国一般社会でも問題になっているもの。家柄は結婚に不可欠な条件だし、孤児問題は韓国が抱える最大の社会問題でもあるからだ。そのほか、「純愛中毒」の物語のきっかけになっている交通事故が「冬のソナタ」のそれと同じなことも、韓国が交通事故多発国だから、という理由付けが。韓国人にとっては当たり前の事象が物語に盛り込まれることで、奇しくも物語をドラマティックに演出し、ヒットの糸口になっているという見方もできるのだ。